競馬の配当金の"使い道"、アナタはどう使う?

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競馬で当てて得たお金の使い道は人それぞれである。もっと大きく言ってしまえば、お金の使い道は人それぞれである。ただ、"競馬の配当金"だからこその使い道というのがあると筆者は思う。"貯金額を切り崩して使用するお金"と、"競馬を当てて手にしたお金"は同じお金でもなんだか姿が違って見えてこないだろうか。その理由は、"使い方の違い"にあるからだと筆者は考える。

例えば、競馬好きの芸能人が高額配当を当ててニュースになることがあるが、彼らの配当金の使い道は実にその違いがよく現れていると感じる。

スギちゃんの例

「ワイルドだぜぇ~」でおなじみの芸人、スギちゃんこと杉山えいじ(42)は競馬で高額配当を当てたことがある芸能人の一人である。スギちゃんはとある番組で「給料全額を馬券に投資し、当たり馬券の配当金だけで生活をする」という企画に挑戦した。軍資金が無くなったら番組からニンジンが支給され、次の給料日までそれで生活をしなくてはならないという体を張った企画である。
単勝を100回当てたらゴールというルールで、ゴールまであと56勝のところでスギちゃんはミラクルを起こした。'08年の「第53回有馬記念」でダイワスカーレットを頭に馬単で流し、1点10,000円で購入した。そこで最低人気のアドマイヤモナークが2着に入着し、馬単33,490円の高配当をゲットした。1点10,000円の購入だったので、配当金にして334万9000円という高額配当金を手にしたのだ。

なんとスギちゃんはこの配当金を使って有明コロシアムで無料単独ライブを開催した。有明コロシアムの賃貸料や、技術スタッフのギャラにほとんどの金額を使い、自身はノーギャラで出演したのだ。なんとも思い切った使い方をしたものである。結果は無料にも関わらず1万5000人のキャパに700人程度だったということだが、有明コロシアムを貸しきっての単独ライブなどそうそう簡単に出来ることではない。小さなライブハウスでやるライブとは全く違うこの大規模な単独ライブはスギちゃんにとって普段の生活では得られない体験だったであろう。この単独ライブが後の大ブレイクに直接的な影響があったかどうかは定かではないが、彼自身にとってはそれなりの影響を与えたのではなかろうか。

明石家さんまの例

タレントの明石家さんま(60)も大の競馬好きとして知られる芸能人である。さんまは'94年の有馬記念で馬券を当てて「大プラス」になったことがあるらしい。金額の詳細は不明だが、さんまクラスの大物タレントが「大プラス」というくらいだから相当な額に違いない。
しかし、有馬記念から約2週間後の'95年1月に戦後最大の都市型災害といわれる「阪神淡路大震災」が起こった。さんまは競馬でもうけたお金を隠していたら罰(バチ)があたりそうだと思い、有馬記念で得た配当金を全額震災の寄付へあてたのだ。このことは関西ローカルのMBSのトークバラエティ「痛快!明石家電視台」(月曜・23:53)でさんま自身が明らかにしている。

競馬でもうけたお金であったからこそ寄付に至ったのかもしれない。さんまにとっての「大プラス」は、きっと震災で困っていたたくさんの人にとっての「プラス」になったに違いない。

競馬の配当金を手にすることで普段とは違ったお金の使い方ができるなら、競馬がもたらす効果というのは私達が思っている以上に大きいのかもしれない。普段と違った使い方をすることにより普段は得られないモノを手にすることができると考えると、なんと競馬には夢があることだろう。だからこそ競馬は楽しい、だからこそ競馬は奥が深いのだ。