【日本ダービー2025予想】雨なら割引?ミュージアムマイルは危険な人気馬か
皐月賞で後方から鮮やかな差し切りを決め、一冠目を手にしたミュージアムマイル。その勝利は、単なる末脚の冴えだけでなく、J.モレイラ騎手の的確な判断力と勝負強さによるものだった。
レース中盤では、他馬の斜行により外へ押し出される不利を受けながらも冷静に対処し、捲りの動きにも付き合わず、終始自らのリズムを守った。勝負どころではサトノシャイニングの動きを見極めて内を突き、直線で進路を外へと切り替えると、最後は坂で一気に突き抜けて快勝。進路選びから仕掛けのタイミングに至るまで、完璧な騎乗だったと言える。
今回はD.レーン騎手への乗り替わりとなるが、東京コースを熟知するレーン騎手ならば、大きな不安材料とはならない。モレイラ騎手の騎乗があまりに見事だったため比較されがちだが、レーン騎手の技量もG1級にふさわしい。
一方で、いくつかの懸念材料もある。まず、左回りの東京コース、そして距離延長となる2400mは未知数である。小回りの中山で見せた立ち回りの巧さや瞬発力は、長い直線が特徴の東京ではやや活かしにくく、持ち味が削がれる可能性もある。
さらに重要なのが馬場状態だ。高柳調教師が「馬場が少しでも湿ると良くない」と公言している通り、ミュージアムマイルにとっては良馬場が絶対条件。今週は週中から雨予報が続き、週末も降雨が予想されている。馬場が渋化すれば、皐月賞で見せたような豪快な末脚は発揮しにくくなるだろう。
実力的には世代トップクラスであることは間違いないが、条件が噛み合わなければその力を発揮できない可能性もある。天候と馬場次第では、評価を見直す必要が出てくるだろう。すべてが整えば二冠目も現実的だが、崩れる余地も十分に残されている。