【天皇賞春2025予想】ヘデントール、レーン騎手への乗り替わりは“吉”と出るか“凶”と出るか?

菊花賞・2着、ダイヤモンドS・1着と長距離重賞戦線で活躍しているヘデントール。

前走のダイヤモンドSでは課題であったスタートを決めると、5番手から楽な手応えで追走。ラスト3コーナーで外からワープスピードが動いた際、動じずにペースを上げて直線では一気に他馬を突き放して快勝と、文句なしの完勝劇。

菊花賞では、ゲート入りでごねてスタートも遅れたが、前半はじっくり構えて後方でスムーズに折り合って追走。出入りの激しい競馬で先行勢が失速する中、勝負所で進出していき、ゴール寸前で先に動いていた馬を交わして2着に好走した。位置取りさえ確保できていれば、勝ち馬も捉えられていたと思わせる内容であった。

いずれの2戦からも分かるように、長いところで走れるタイプで、同舞台はベスト舞台。前走の快勝で天皇賞・春がしっかりと視界に入ったであろうし、まさに臨戦態勢は万全といったところだ。

懸念材料を挙げるなら、初めて背負う58kgの斤量と、鞍上の乗り替わりである。今回は、近2戦でコンビを組んできた戸崎騎手から、D.レーン騎手へバトンタッチとなる。手が合っていた戸崎騎手と続戦できないのは、割り引き要素と言わざるを得ない。

もっとも、レーン騎手も日本での実績は豊富。これまで何度も日本へ遠征しており、昨年の天皇賞・春では6番人気のシルヴァーソニックで3着、その前年もシルヴァーソニックでステイヤーズSを制すなど、近年は長距離重賞戦線でも結果を出している。一見乗り替わり騎手としては申し分なく思えるが、レーン騎手は来日初週の成績が悪く、日を重ねて適応していくタイプ。騎手の手腕が問われる長距離G1をいきなり勝てるかどうか。

一方で、レーン騎手自身はポジションを取るのが上手い騎手であり、課題であるスタートを上手く出してくれる可能性はある。前走でスタートの改善も見れたので、マッチすればあっさり圧勝というケースも十分有り得そうだ。馬自身は最終追い切りを美浦Wコースで7F92.1-1F12.0、6Fでは77.5と猛時計を叩き出しており、状態面も万全の印象。人気を集める1頭となりそうだが、ここは素直に本命視が懸命か。