【安田記念2025予想】中山以外は割引きか?シックスペンス、条件好転も懸念残る一戦
6月8日(日)の東京競馬場メインレースは、春のマイル王を決める上半期の大一番・GⅠ安田記念。例年実力馬が激突するこの舞台に、注目が集まるのは重賞3勝の実績を誇るシックスペンスだ。
前走の大阪杯では人気を集めながらも結果は伸び悩んだ。ハイペースの流れに飲み込まれ、直線では失速する形となった。レコード決着となった一戦は、単なるスピードだけでなくスタミナの総合力が求められた展開だった。これまで2000m以上での勝ち星がなく、1800mに強みを持つ同馬にとっては適性の限界を試されたレースだったともいえる。
さらに、大阪杯では「関東馬の不振」「二桁の馬体重減」「テン乗り」といった不安材料が揃っていた点も見逃せない。いわば“負けるべくして負けた”側面もあり、敗戦だけを切り取って評価を落とすのは早計だ。事実、中山記念でレコード勝ちを収めるなど、地力は明白。今回は距離短縮となり、条件が好転する点は巻き返しの材料として十分に機能するはずだ。
とはいえ、気になるのは舞台設定である。今回の東京1600mは、一見すると距離適性にフィットするように思えるが、これまでの好走が集中しているのは中山コース。キャリア5勝中4勝を中山で挙げており、“中山専用機”との評価がつきまとう。同馬を大阪杯で割り引いたファンの多くが、このコース適性の偏りに着目していた。今回もまた「東京なら消し」という見方をするファンにとっては、疑いの目を向けざるを得ない一戦だろう。
だが、その懸念を払拭する要素もある。まず、東京1800mでの勝利歴がある点。さらに今回は、テン乗りだった横山武史騎手から、4戦4勝の実績を誇るルメール騎手へ手綱が戻る。毎日王冠では、内前有利の展開を的確に読み切り、好位からの抜け出しで完勝を収めており、東京コースでもルメールとのコンビなら期待は高まる。
調整過程も順調で、前走からの叩き2戦目でさらなる上積みも見込まれる。適度な間隔で使われてきたことからも、陣営の本気度がうかがえる。これまでの中山実績から東京では評価を落としがちなシックスペンスだが、今回は条件が整っている。果たして“中山専用機”のレッテルを払拭するのか、それとも適性の壁に阻まれるのか。安田記念の行方を占う上で、鍵を握る存在であることは間違いない。