【JRA府中牝馬ステークス2025予想】軽斤量に加えて展開利も、カナテープ絶好条件

初音ステークスを快勝し、ついにオープン入りを果たしたカナテープ。出遅れとプラス12kgという不安材料を抱えながらも、直線では馬場の真ん中から一瞬の末脚を炸裂させ、上がり最速33.7秒の脚で鮮やかに差し切って見せた。前が開いてもすぐには仕掛けず、余裕をもって加速した姿は、これまで以上に成長を感じさせる内容だった。
カナテープの武器はマイル前後の距離で発揮される底力と、鋭く切れる瞬発力を兼ね備えている点にある。とくに3走前のユートピアステークスでは、初めての芝1400m戦にもかかわらず、ハイペースの流れを難なくこなし3着と好走。スピード性能の高さを証明した一戦だった。前走の初音ステークスも前半から流れが速く、テンからスピードが求められる展開となったが、それを好材料に変えて結果を出したことは大きい。
また、東京芝1800mではすでに4勝を挙げており、舞台適性の高さは疑う余地がない。加えて、オープン初戦となるため斤量53kgと恵まれており、条件面では申し分ない。相手関係を見渡しても、突出した実績馬が揃っているわけではなく、持てる力を発揮できればいきなり通用しても不思議ではない。
とはいえ、これまでの戦績からも明らかなように、カナテープは展開に左右されやすいタイプである。とくにスローペースになると切れ味を活かしきれず、力を出し切れないケースが多い。実際、好成績はミドルペース以上の流れで出ており、ある程度速い展開が理想だ。セキトバイーストやアスコルティアーモといった先行型の動きが、レース全体の流れを左右することになりそうだ。
昇級初戦という壁はあるが、勢いと舞台適性、そして斤量面のアドバンテージを考えれば、十分に勝負になる器であることは確か。得意の東京1800mを舞台に、カナテープが悲願の重賞初制覇を果たすか。その瞬間に期待が集まる。