【スプリングS予想2025】怪物か?それとも危険な人気馬か?キングスコール、真価が問われる一戦

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札幌芝1800mのデビュー戦快勝から約8ヶ月ぶりの実戦となるキングスコール。

専門誌や競馬メディアなどでは、重賞経験のあるピコチャンブラックや1勝クラスを快勝しているマテンロウバローズを差し置いて想定1番人気に予想されており、1戦1勝というキャリアながらも大きな期待と人気を集めている。

それもそのはず、そのデビュー戦では後の阪神JFで3着に好走するテリオスララを3馬身突き放し、さらに2歳コースレコードを0秒4も上回るレコード付きの圧勝ぶりだった。圧倒的な勝ち方を見せたこの内容からも、今回のメンバーにおいては抜けたパフォーマンスを誇る馬と見られている。

とはいえ、課題は多い。最も気になるのは長期休養明けの状態面だ。1週前のCWコースでは併せ馬で6F82秒5─1F11秒5をマークし、一杯に追われてクビ差先着。2月末から時計を出し始めているが、明確に負荷をかけたのは1週前と、調整の慎重さが目立つ。これは脚元の様子を見ながらの調整であることに加え、気性難を抱えている点も影響しているだろう。実際、陣営からも「いくらか物足りない」「8分ぐらいで挑むことになる」とのコメントが出ており、手探りの状態であることが伺える。骨折明けという点もあり、レースで100%のパフォーマンスを発揮できるかは未知数だ。

また、今年のメンバー構成を見ると小頭数かつ手薄な印象を受けるものの、そうした中で1番人気が気性難のある骨折明けの馬というのは不安材料にもなり得る。8ヶ月ぶりの実戦でレース勘が鈍っていないか、道中で力んでしまうことはないかといったリスクも考慮する必要がある。ファンの間でも「危険な人気馬」として懸念する声が少なくないのも頷けるところだ。

さらに、皐月賞の権利は3着まで。この点を考慮すると、陣営としても何が何でも勝ちに行く必要はなく、3着以内を確保することを最優先に考えている可能性が高い。そのため、勝ち負けにこだわる馬券の買い方にはリスクが生じる点も留意しておきたい。成長力やポテンシャルが高いことは間違いないが、今回は試金石となる一戦。ここをどう乗り切るかによって、今後のクラシック戦線での立ち位置も大きく変わってくるだろう。