【しらさぎステークス2025予想】〝初物尽くし〟のレーベンスティール、試金石の一戦

レーベンスティールは、昨年エプソムカップとオールカマーを連勝し、一昨年にはセントライト記念を制するなど、中距離重賞戦線で安定した結果を残してきた。

しかし、近2走は天皇賞・秋で8着、続くアメリカジョッキークラブカップでは12着と精彩を欠いている。今回はマイル戦に矛先を向け、復調を図る構えだ。

実力的にはこのメンバーでも上位と見て間違いないが、不安材料も少なくない。最大の懸念は距離適性にある。近走の内容からも、マイルという距離がプラスに働くとは言い切れない。特に今年に入ってからは馬体がより筋肉質になり、前走時には12kg増と馬体の変化が顕著だった。その変化がパフォーマンスに影響を与えた可能性は高い。

ルメール騎手も「以前よりも筋肉がついて体がムキムキになってきた。2200mでは普通のペースでも長く感じる。坂の上ではバテていた」とコメントしており、馬体の成長に伴い距離適性も変化していると読み取れる。さらに、パドックではチャカつく姿も見られ、もともと課題とされていた気性面での難しさも目立ち始めている。馬体の変化と気性の不安定さを踏まえれば、陣営がマイル戦を試す判断も理解できる。

ただし、レーベンスティールはもともと中距離戦で末脚を活かすタイプであり、1800~2000mの後半勝負で力を発揮してきた。スピードの要求が高まるマイル戦では、序盤からの追走で脚を使い切ってしまう可能性がある。加えて今回は、長く手綱を取ってきたルメール騎手から川田将雅騎手への乗り替わりとなる。初コンビであるうえに、ルメール騎手ですら制御が難しいと漏らす気難しい馬を御せるかどうかは不透明だ。

さらに今回は初の関西遠征、初の阪神コース、初のマイル戦と初物づくし。おまけに5カ月ぶりの実戦となり、長距離輸送も控えている。臨戦態勢が万全とは言い難く、レース中に追走で消耗するリスクもある。川田騎手にとっても、プレッシャーのかかる一戦になることは間違いない。

馬体の成長により一変する可能性も否定できないが、不安材料が多い人気馬だけに、取捨の判断は慎重に行うべきだ。