【エリザベス女王杯2021予想】レイパパレは“危険な人気馬”か?

G1初挑戦となった大阪杯でコントレイル、グランアレグリアらの強敵を下してデビューから無傷の6連勝。一躍スターホースへ上り詰めたレイパパレだが、続く宝塚記念で3着と敗れて連勝はストップ。夏を休み、秋初戦のオールカマーでは4着に敗れ、2200m戦で2連敗。宝塚記念と同じ阪神の2200mが舞台となるこのレースに向けて不安が残る結果となった。

前目につけてしぶとくスピードを持続していく先行タイプ故、前半のペースが重要となってくるだろう。今回のメンバーでペースを握ってきそうな先行馬は、レイパパレの他に前走オープンの新潟牝馬Sを逃げたリュヌルージュ、オールカマーで逃げたロザムールあたりが有力候補となりそうだ。他にも、マーメイドSを逃げ切ったシャムロックヒル、積極的な騎乗で菊花賞を制した横山武史騎手のウインマリリンなども逃げる可能性は十分ある。

さらに、今年の目黒記念を番手から押し切ったウインキートス、新潟牝馬Sを番手から追走したエアジーンなど、逃げ馬候補ではないが、先行勢は多い。それゆえ、ペースが速くなる確率が高い。

メンバーの脚質を見るとレイパパレにとってはペース的に厳しくなる可能性は高そうだ。先行争いに巻き込まれれば、リズムを崩してラストは失速という近走おなじみのパターンも十分ありえる。川田騎手は常々レイパパレについて「コントロールが難しい」と話している点も気がかりで、騎乗技術に定評のあるルメール騎手なら大丈夫と思いたいが、テン乗りになるのでこの辺りも確信が持てないのがネックとなる。

昨年から阪神競馬場での施行となっているが、その昨年は上がり1~3位の末脚を繰り出した馬が上位を占める結果となった。過去10年のデータと傾向でも記されているように、過去10年同レースは「差し」が8勝を挙げており、先行勢から勝ち馬は出にくい傾向となっている。脚質の観点では阪神へのコース替わりはさほど影響はなさそうだ。同条件の宝塚記念においても上がり最速馬の連対率が100%と好成績で、実際今年の宝塚記念は上がり最速の末脚を繰り出したクロノジェネシスが1着となっている。

レイパパレも今年の大阪杯では上がり最速を叩き出しているが、オールカマーでは展開に恵まれず4着に惜敗。終いのキレもそこそこあるが、やはり展開に左右される部分が大きいというのが正直なところだ。時計がかかればチャンスはありそうだが、週末は晴れの予報。今回は距離やメンバーの脚質から想定されるペースを考えると、“危険な人気馬”という扱いになりそうだ。