【競馬】なぜ日本の競馬はもっと世界へ目を向けないのか?

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11月15日に京都で開催される「第40回エリザベス女王杯」に外国馬4頭が選出されていたが、23日にJRAは全ての外国馬が出走を辞退したことを発表した。辞退した外国馬はシークレットジェスチャー(英国、牝5)、ジャックネイラー(愛、牝3)、リトルナイチンゲール(仏、牝3)、クイーンオブザサンド(米、牝5)の4頭である。

エリザベス女王杯は国際競争に指定されており外国馬による出走が可能だ。2010年、2011年エリザベス女王杯の連覇を挙げた英国馬のスノーフェアリーの活躍はまだ記憶に新しい。こういった外国馬による参戦は盛り上がるし、国内の騎手や競馬関係者にも良い刺激になる。しかし近年は外国馬による参戦も見なくなり、エリザベス女王杯でもスノーフェアリー以来外国馬による参戦は1頭もない。筆者にとって当時のエリザベス女王杯でスノーフェアリーが見せた4馬身差の圧勝劇は衝撃的なものであっただけに、この辞退のニュースはなんとも寂しい事この上ない。

話は変わって、今年の5月に英国のロイヤルアスコット開催のG1レースに10カ国から出走登録があり話題を集めた。第1回出走登録でフランスから46頭、アメリカから11頭、オーストラリアから8頭、香港から4頭、ドイツから3頭、日本から2頭、スペインから1頭、スウェーデンから1頭の出走予定馬を集めたのだ。日本馬の2頭はスピルバーグとルルーシュが登録し、ルルーシュは回避となったがスピルバーグはプリンスオブウェールズS(G1・6着)に出走して日本でもこのことが大きく取り上げられた。

ロイヤルアスコット開催は歴史も長く世界中の競馬界と社交界の大イベントとされているので、日本国内の開催と比べるのはいささか不適当だと言われるかもしれない。しかし、ここまで各国から多くの出走登録を得られたのは海外の有力馬を勧誘するために世界中を駆け回ったアスコット競馬場の担当理事のたゆまぬ努力の結果にほかならない。このような努力は日本の競馬界も見習うべき点なのではないだろうか。日本の競馬には甲冑競馬日本独自の馬造りなど世界の競馬とは一風変わった独自の文化がたくさんある。その一風変わった文化を世界へ向けてもっと配信していき、日本の競馬の良さというものを伝えていっていただければ一競馬ファンとしてこの上なく喜ばしいことである。