【毎日杯2016回顧】ノーステッキでの完勝・スマートオーディン

記事「【毎日杯2016回顧】ノーステッキでの完勝・スマートオーディン」のサムネイル画像© Paul

26日(土)の阪神競馬場のメインレースでは3歳馬による1800メートルの中距離重賞・毎日杯(G3)が行われた。前半800メートル通過が48.9、1000メートル通過が61.6の流れ。勝ち時計は1:47.3である。

この日の9レースに行われた同じ距離1800メートルの3歳500万条件の君子蘭賞が、前半800メートル48.4であり、1000メートル通過が61.3で勝ちタイムは1:47.6だから、前半だけ見るとこのクラスのレースとしては緩い流れであった。

ただ、全体時計はコンマ3秒上回っておりこの点はさすが。後半にかなり速い脚を使わないと出せないタイムである。

スマートオーディン

1着・スマートオーディンはもうキレッキレの競馬をしており、最高級の末脚を見せてくれた。

ゲートを無難に決めると、道中は後方3番手の位置取り。折り合いを欠くのはいつものこの馬の特徴であり、2歳時に同じ1800メートルの東京スポーツ杯2歳ステークス(G3)を勝った時も行きたがっていた道中だった。

勝負所の4コーナー付近から進出を開始すると、直線では残り200までは持ったまま、少し気合をつけると後続を一瞬のうちに突き放した。ノーステッキでの勝利で完勝といっていいかもしれない。上がり3ハロンは極上の32.7。

この馬は多分、上がりが速くなる馬場状態と展開が得意なタイプ。前走の共同通信杯(G3)で6着敗退を喫したが、共同通信杯は馬場状態が稍重。自身の上がりが36.5であり、得意の切れを活かせる馬場状態ではなかった。

このレースを勝ったディーマジェスティが最速の上がりをマークしたが、それでも35秒を少し切る程度の34.9であった。この日の競馬を含めて5戦しているが、連対している時は全て33秒台か32秒台後半の上がりを使っており、スマートオーディンの走る条件の目安がわかってきた感じである。

馬体重484キロも前走からマイナス10キロ。研ぎ澄まされた、どこか恐ろしさも感じる状態となっていた。これで470キロ台から480キロ台前半の馬体重の時の競馬は3戦3勝。逆に480キロ台後半から490キロ台での馬体重の時は2戦全敗である。次走以降もこの点は少し注目してみたい。直線の破壊力は確かなものがある。

アーバンキッド

2着・アーバンキッドは好スタート。少し折り合いで苦労した面もあるが、スマートオーディンと比べればかわいいほうである。直線では最内をつき先頭に立ったシーンもあった。

最後まで質の良い粘りを発揮しての2着であり、やっぱりこの馬も能力は高い。初の1800メートルでこの競馬が出来たのもお見事。

これで、5戦2勝2着2回となり、この世代では力は上のほうである。ハーツクライ産駒でまだまだ成長しそうな感じもする。次走ももちろん注目。

タイセイサミット

3着・タイセイサミットも安定感抜群の馬。スタートも道中の折り合いも完璧。道中はアーバンキッドより少し前のポジションで進み直線へ。

残り400メートル付近でステッキが入ると、この馬も最後までよく伸びており自分の力はしっかりと出している。

2歳時は東スポ杯(G3)6着、朝日杯FS(G1)7着など重賞では掲示板に少し足りない馬だったが、3歳となった今年は弥生賞(G2)4着、この日の毎日杯3着とグレードレースでも上位に顔を見せるようになってきた。

順調に成長している馬であり、この先もこの辺りのクラスで期待。

ロワアブソリュー

3番人気5着のロワアブソリューはゲートで少し立ち遅れ。ただ、この日のロワアブソリューは折り合いがついており、デビューの頃から比べるとまともな競馬が出来るようになってきた。

直線もよく前との差を詰めている。後はスタートさえまともに決めればもう少し上位に食い込めそう。この馬の次も注目。

ディープエクシード

5番人気6着のディープエクシードは道中途中からハナに立って競馬をした。この馬はたまにこういう競馬をする。

前走の京都での未勝利戦も3コーナーからまくっていき、4コーナーでは先頭に立って後続を1.1秒、突き放す圧勝劇を演じた。前走は不良馬場での競馬で7馬身勝ちであり、この日のような良馬場は少しこの馬にとっては向かなかったかもしれない。馬場が悪くなった時に狙ってみたい馬である。

総評

全体的に各馬不利もなく自分の競馬をしており、本来の力通りの着順に収まったと感じた今年の毎日杯であった。