サッカー選手がジョッキーに?!元イングランド代表マイケル・オーウェン氏、騎手デビュー!

突然ですが、元サッカー選手のマイケル・オーウェンという選手を知っておりますでしょうか?サッカーファンの方ならご存じの方も多いかと思いますが、元イングランド代表のフォワードで、18歳で初出場した1998年のW杯フランス大会で劇的なゴールを挙げたり、ヨーロッパの年間最優秀選手に贈られるバロンドールを受賞するなど世界に名を轟かせた名選手です。2013年3月に、33歳の歳で16歳からスタートしたプロサッカー選手としてのキャリアに終止符を打ち、引退をしました。

競馬のコラムでなぜいきなりサッカーの話を?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実はこのオーウェン氏、先週の金曜日に英国のアスコット競馬場で競馬のジョッキーとしてデビューを果たしたのです。

騎手としてデビューしちゃうほど無類の競馬好き?!

来月で38歳になるオーウェン氏。実は彼は馬主としても活躍をするほどの無類の競馬好き。いや、自身がジョッキーとしてデビューしてしまうくらいですから、競馬バカと言ったほうがしっくりくるかもしれません。もちろん、最大級の敬意を込めてです。

あのオルフェーヴルが2013年の有馬記念を優勝した際も「言葉が見当たらない。オルフェーヴルが中山競馬場で11万7000人の前で見せたパフォーマンスを見たかい?彼はただ単に他馬を圧倒した。何という馬だ」と自身のツイッターでオルフェーヴルの強さを絶賛したことは一部ファンの間では有名な話です。まさか日本の競馬のレースまでチェックをしていたとは!と驚いたファンも少なくないでしょう。

それにしてもサッカー選手からジョッキーとは思い切った転身をはかったものだと感心したくなりますが、実は英サッカー界と競馬界のつながりは意外と深く、例えば、G1・7連勝をマークしたアイルランドの競走馬・ロックオブジブラルタルは現役時、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督が半分の権利を所有しておりました。他にも、同チームの元代表のフォワードとして活躍したミック・シャノンは現在、調教師として活躍しております。ちなみに日本にも2度、管理馬を送り込んでおります。

このように、サッカー界と競馬界の繋がりは現地英国ではそれほど珍しいことでは無いのかもしれませんね。日本でも最近は元プロ野球選手で大魔神の異名を持つ佐々木主浩氏や、演歌歌手としても有名なサブちゃんこと北島三郎氏らが馬主としても活躍していることを考えると、他業界と競馬業界の繋がりはどこの国でも見られることなのかもしれませんね。

しかし、サッカー選手からジョッキーという、まさに現場の第一線で活躍するアスリートとして転身するというのは稀と言っていいでしょう。オーウェン氏がデビューしたレースは、特定の国や団体、または組織への支援を目的として施行されるチャリティレースではありましたが、結果は2着と好内容でした。しかも、オーウェン騎手はつい5ヶ月前までは本格的な乗馬経験すらなかったというのだから驚きです。いくら元プロアスリートとは言え、全く異なる競技で結果を残すのはそう簡単なことではありません。

今後については「まだどうなるか分からないよ、またやるかもしれないね」とコメントし、出走するレースも「チャリティレースにこだわるだろう」とコメントしていることからも、特定のレースにのみ参加という可能性が高そうですが、新たなかたちで競馬の楽しさを覚えてしまったとすれば、競馬バカのオーウェン氏なら再び騎乗する可能性は高そうです。サッカー選手時代はスピードで抜き去る直線的なドリブルやネットに突き刺すような力強いシュートが定番の選手でしたが、ジョッキーとしては一体どんな騎乗っぷりを見せてくれるのか、オーウェン氏の動きから今後も目が離せなそうです。