【マイルチャンピオンシップ予想2016】短中距離路線から回帰組と京都マイル巧者、曲者ぞろいの8歳勢

芝マイル実績3戦3連対のスノードラゴン

スノードラゴンと聞いて、マイラーと想像される競馬ファンはほとんどいないことだろう。実際に競走生活の大半は1200m前後に終始しており、それこそこの距離であれば芝でもダートでも構わず走っている。だからこそのイメージだが、実はデビュー戦から3戦はマイル戦を走っていたのだ。

スノードラゴンの芝マイル戦の戦績は3戦0勝2着3回。いわゆる連対率100%である。うがった見方をすれば勝ち切れなかっただけとも捉えられるが、実際に距離がダメならここでも惨敗しておかしくはない。ところが、スピードに任せて先行し、そこでしっかりと2着に残っているのだ。

とは言え新馬・未勝利戦を勝ちきれないのも事実。結局、陣営もこの3戦で距離短縮を実施して連勝を決めている。そして連勝後に出走をしたヒヤシンスS(ダ1600)で7着に負けたことで、スノードラゴンのその後の競走生活の方向性は決まった。

後にスプリンターズSを制することになるので、陣営のこの判断は正しかった。しかしながら、年齢的にズブさも増して、さらに競馬を覚えて控えられるようになった今なら、マイル戦の方が合うような気がしてならないのだ。今回は実に約6年ぶりの芝マイル戦出走になるが、後方で脚を溜めさえすればそれなりに脚を使ってくるように思う。

当然人気は出ないだろうが、一長一短のマイル戦線においては別路線組からの殴り込みは非常に魅力がある。

中距離重賞戦線で活躍するダコール

後方からのマクリ差しを武器に、中距離重賞戦線で実力を発揮してきたのがダコールだ。戦績を見ればわかる通り、どんなレースでも掲示板以内に好走しているケースがかなり多い。条件に関係なく比較的安定して走れるのがこの馬の強みだ。

スノードラゴンとは反対に主戦場としている距離が中距離であり、マイルCSはやや距離不足かもしれない。しかしこちらも若駒の頃にはマイル以下でも使われており、新馬勝ちもマイル戦だった。その上ディープインパクト産駒はマイルにめっぽう強く、その適性通りに走ったとしても驚きは少ない。それよりも問題は格のほうだ。

これほど重賞で安定した成績を残しているにもかかわらず、GⅠ出走歴はわずか1回しかない。そのGⅠは昨年の天皇賞・秋で、14着に惨敗している。8歳馬なのでレース経験の豊富さは他馬にも引けを取らないが、GⅠ経験の浅さだけは気になる。

前走は名手M・デムーロ騎手を鞍上に迎えて久々の勝利を狙ったが、まさかの16着に大敗。G1が舞台でのことなら力不足でわかるがG3新潟記念でのこと。普段は安定して走る馬だけに、やや不可解な負け方だった。ただ、この1度で状態を決めつけてしまうことはできない。元々能力が高いことは今までの戦績が証明しているし、レース後半で見せてくれる一瞬の脚にはいつも期待感を抱く。強豪ぞろいのマイルCSなのは間違いなく実に5年5ヶ月ぶりのマイル参戦。ロマンを求めて切れ味鋭い末脚に期待してみるのも面白い。