【オーシャンS2016回顧】本番高松宮記念さながらの好レース制したエイシンブルズアイ!

春のスプリント王決定戦である高松宮記念(G1)のステップレースとなるオーシャンステークス(G3)を制したのは、関西馬のエイシンブルズアイ(牡5 栗東・野中賢二厩舎)。勝ちタイムの1:07.5は本番並みの好時計。

中山の馬場状態はペースが流れれば速い時計が出る状態であったが、前半600メートル・32.7、800メートル・44.0だった。ちなみに、昨年同じ舞台で行われたスプリンターズステークス(G1)の600メートル通過タイムは34.1、800メートルが45.3。文字通りの底力が求められるオーシャンSとなった。

エイシンブルズアイは、スタート直後に鞍上の石橋脩騎手がある程度先団のポジションを選択したかったのか、押して出ていったがダッシュがつかず、後方11番手で競馬をすることになった。結果的にこれが功を奏した形。終始追い通しの中、直線に入ると、中山の急坂も何のその。実に力強い末脚で、逃げ粘るハクサンムーンをゴール前で捉えて重賞初制覇。

先週、エイシンブルズアイを取り上げた時に、関東圏の競馬が久々で輸送がどうか?前半速いペースになると向いていないのではないか?初の中山がどうでるか?などを紹介したが、この日のエイシンブルズアイには、そんなこと全く関係なかった。高松宮記念に向けて、また新たな注目馬の登場だ。

2着の快速・ハクサンムーンは負けて強しの内容。これぞ、ハクサンムーンというラップを刻み、直線も最後まで粘った。勝ち馬と違い、こちらは、昨年のスプリンターズステークス以来の休み明けでの競馬だった。

7歳という年齢もあり、衰えの声も周囲から囁かれていたが、まだまだ古豪健在である。ハクサンムーンがレースに出ると、ビシッと締まったスプリント戦になりやすいため、まだまだ元気でいてもらいたいところだ。

3着・スノードラゴンは15か月ぶりの競馬。明け8歳となりすっかりと白い馬体になった。

この日はハイペースとなり、道中、エイシンブルズアイと同じような位置の後方からの競馬となったため、確かに展開は向いたが、何せ、休養期間がこれだけあった馬である。とにかく無事に回って来てくれればという思いが強かった中での3着激走だから立派なもの。

2年前はこのオーシャンSで2着に入り、本番の高松宮記念も8番人気ながら2着に好走している。休養が長かった馬である。今後は、とにかく無事に本番にという願いが強い。

4着・ネロもハクサンムーンの乱ペースを3番手で追走しての粘り込み。この日、掲示板に入った馬たちは、後方10番手以降にいた馬が3頭もいる前にはキツイ流れだったから、4着といえども内容は強い。今後に注目。

5着は4歳牝馬の1番人気のアルビアーノ。短距離の天才少女になれる素質を秘めているが、この日は直線で追えなくなるシーンがあった。あの不利がありながら、最後まで、馬自身は伸びている。この馬も負けて強し。マイルチャンピオンシップ(G1)以来のここを叩いて当然、次は巻き返す。

この日、掲示板に残った馬は、次走以降も期待してよい組だと感じた、今年のオーシャンSであった。