【もみじS予想2019】ワンスカイ、親子鷹の期待を背負いG1進出なるか

記事「【もみじS予想2019】ワンスカイ、親子鷹の期待を背負いG1進出なるか」のサムネイル画像

親子で一つの目標を目指す姿を、子母沢寛による同名の小説「父子鷹(おやこだか)」からならい親子鷹と言います。競馬界で言えば古くは武邦彦調教師と息子の武豊騎手、今では調教師となった武幸四郎元騎手が有名ですが、最近は父・藤岡健一調教師に佑介、康太兄弟が活躍しています。さらに今年になって新たな親子鷹が見られるようにもなりました。

かつては義理、人情で騎手を選ぶことは珍しくもなかった競馬界でしたが、生産から調教、引退後のセカンドキャリアまで様々な人が関わってくる産業であり、現役時代にどれだけの成績を残せたかで多くの人の生活を左右させうる上、スポンサーであるオーナーの意向を重視する傾向も出てきており、期待馬に若手騎手を騎乗させ続けるのは難しい環境となっています。

現状の良し悪しはひとまず置いておいて、今回とりあげる土曜日京都9レースの2歳オープン、もみじステークスに出走予定のワンスカイは、そんな親子鷹の実現しそうな1頭となりました。

管理するのはヌーヴォレコルトでのオークス制覇などでおなじみの美浦・斎藤厩舎で、今年デビューした息子の斎藤新騎手を今回新パートナーとして出走します。もみじステークスで3戦目となりますが、新馬戦は田辺騎手で5馬身差圧勝、前走のききょうステークスは伏兵のプリンスリターンに敗れたものの2着と、2歳短距離オープン路線では能力上位と思われる逸材です。

新馬戦で田辺騎手、オープンでルメール騎手という起用は陣営からしても期待度の高さは伺えるワンスカイが今回も2歳オープンにエントリーし、人気の一角を担うことが濃厚なレースで新人の息子を起用するというのは調教師の立場としては計り知れないプレッシャーを感じていることでしょう。

おそらく朝日杯FSへの出走も狙っていることでしょうが、前走はオープンで2着ということで残念ながら賞金は1勝馬と同水準。今回こそは勝利して朝日杯FSへの出走を確実なものにしておきたいというのはオーナーサイドとしては切なる願いと言えるでしょうが、この大事な場面で実績の浅い騎手の抜擢を許可するというのは懐の広さか自信の現れなのか。

登録12頭の中で最大のライバルになりそうな小倉2歳ステークス3着のラウダシオンには前走で騎乗した超一流ジョッキーのルメール騎手が騎乗してきます。相手関係は楽ではないレースで、陣営内にはプレッシャーが張り詰めていそうですが、ぜひ期待に応える一発をみてみたいものです。