【NHKマイル2025予想】波乱の主役はパンジャタワー、左回りで真価問う

日曜の東京メインは3歳マイル王決定戦の「NHKマイルカップ」が開催。マイル戦を中心に重賞で実績を積んできた多彩なメンバーが揃い、見応えのある一戦となる。

その中で注目したいのが、タワーオブロンドン産駒のパンジャタワーだ。新馬戦と京王杯2歳ステークスを連勝し、2戦無敗で挑んだ朝日杯フューチュリティステークスでは12着と大敗を喫したが、続くファルコンステークスでは1番人気に推され4着と地力を見せた。

父タワーオブロンドンはスプリンターズステークスの覇者であり、その血統背景からパンジャタワーにもスプリント色の強い印象がある。しかし、距離不安とされるマイル戦でも、3歳春の段階ならば能力でこなすことは十分可能だ。実際、すでに左回りのレースで2勝しており舞台適性にも不安はない。

今回のメンバー構成を見ると、はっきりとした逃げ馬が見当たらず、スローペースが想定される。加えて、先週の京王杯スプリングカップでは1400mのJRAレコードが更新されたほどの高速馬場であり、スピードに勝る馬がそのまま押し切る展開も十分に考えられる。この流れならパンジャタワーが距離の壁を乗り越える可能性は高い。

鞍上には松山弘平騎手が再び手綱を取る。現在リーディング上位をキープする実力派であり、パンジャタワーを2戦2勝に導いた相性の良さも心強い。松山騎手は2021年のチャンピオンズカップ以来G1勝利から遠ざかっており、今回こそ悲願達成の好機となるだろう。

さらに注目すべきは、管理する橋口慎介調教師の存在だ。今年で開業11年目となるが、中央G1は未勝利。奇しくも父である名伯楽・橋口弘次郎元調教師がG1初制覇を果たしたのも11年目だった。親子での“11年目の戴冠”は、競馬ファンの心を打つドラマにもなる。

以上を踏まえ、今年のNHKマイルカップでは、スピードと適性を兼ね備えたパンジャタワーが、左回りの舞台で真価を発揮する展開に期待したい。橋口厩舎にとっても、悲願の中央G1制覇を掴むチャンスであり、世代を代表するマイラーとしての名乗りを上げる瞬間が訪れるかもしれない。