【桜花賞2025予想】桜の主役はエンブロイダリー、高速馬場&J.モレイラ騎乗で鬼に金棒
クイーンカップを制し、勢いそのままに桜花賞へと駒を進めてきたエンブロイダリー。プレレーティングでは、今回の出走メンバー中トップタイの高評価を獲得しており、その能力の高さは数字にも表れている。1勝クラスからクイーンCまで内容の濃い連勝を決めてきた戦績から見ても、今走で主役と目されるのは当然と言えるだろう。
クイーンカップ当日のレース内容も見逃せない。スタートはややゆったりと入ったものの、2~3ハロン目で10.8秒-11.1秒というスピード感のある流れに突入。その後も11秒台のラップが続き、息の抜けない展開となった。前半4ハロンは45.7秒と、クイーンC史上最速タイのハイペース。これは3歳牝馬のG3としては非常にタフなラップ構成であり、単なる切れ味ではなく、スピードを持続させる能力と、速い流れへの対応力が問われるレースとなった。
この厳しいペースは、本来なら控える馬に有利な展開。しかしエンブロイダリーは2番手追走から直線に向くと、追い出しを待つ余裕すら見せて抜け出し、そのままレースレコードで押し切る完勝劇を演じた。追いすがる2着馬以下を難なく振り切った姿からは、展開に左右されない高い総合力がうかがえる。
キャリア5戦で唯一馬券圏外に敗れたのは、冬の中山・マイル戦。パワーを要する馬場では、その持ち味であるトップスピードの持続力が活かしきれなかった印象だ。ただし、現在の阪神は時計が出やすい高速馬場。スピード持続型のエンブロイダリーにとっては理想的な舞台となりそうだ。実際に持ち時計も上位クラスで、馬場・距離ともに条件は整っている。
唯一気がかりだったのは、主戦のC.ルメール騎手が騎乗できない点だが、その代役として昨年ステレンボッシュで桜花賞を制した名手J.モレイラ騎手を確保。これはもはや“鬼に金棒”と言っていい。スタートに課題があるため枠順の影響は多少受けやすいが、それ以外に目立った死角は見当たらない。
初の遠征競馬という点も加味して評価したいが、よほどの道悪や大きな体調面の不安がない限り、ここは堂々と本命視できる一頭だろう。