【ヴィクトリアマイル2018予想】レッドアヴァンセ、エリモピクシー産駒初のG1戴冠へ

稀代の名繁殖牝馬と言えばどういった名前があがるだろうか?ドリームジャーニー、オルフェーヴルの母オリエンタルアートは大物2頭を産んだまさにホームランバッターといったタイプ。G1馬複数頭と言えばダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの3頭を産み落としたダンシングキイの偉業も忘れがたい。

その他にも名を残す歴代繁殖牝馬は数多くいるがここでは割愛させていただくとして、先述のホームランバッターに対してアベレージヒッターな繁殖牝馬と言われたら皆さん誰が思い浮かぶだろうか?最強馬論争同様、天秤にかけて厳密に優劣をつけるのは正直難しいものがあるが、私が挙げたい1頭は昨年惜しくも亡くなってしまったエリモピクシーだ。

初年度産駒のリディルから始まり、クラレント、レッドアリオン、サトノルパンと4頭続けて重賞勝ち馬を輩出し、デビューした8頭中不幸にも3歳の1月に他界したレッドベルダ以外の7頭が勝ち上がり、現3歳のレッドヴェイロン以外全てがオープン入りを果たす驚異的なアベレージの高さを誇り、これまでにとった重賞の数は延べ11レースにものぼる。

これほどの名牝でありながら前述の稀代の名繁殖と並ぶと一つ見劣りしてしまう点がG1勝ちが未だ無いという点。

リディルはジョーカプチーノとエイシンアポロン、クラレントはダノンシャークとジャスタウェイ、サトノルパンはビッグアーサーといったG1勝ち馬たちに対して重賞の舞台でそれぞれ勝利しているなど、能力が決定的に足りていないということではないのだろうが、G1になると上手く事が運ばない血統とも言える。

しかし事ここに至り風が上向いてきた。先週のNHKマイルカップではレッドヴェイロンが9番人気にして3着まで飛び込み大健闘を果たした。前哨戦のアーリントンカップも3着で着順こそ一緒だったがグレードを考えれば半歩出世したと言ってもよいだろう。まだ3歳馬ということでチャンスはこれからいくらでもやってくる。

そして今週ヴィクトリアマイルに出走する今年5歳になるレッドアヴァンセだ。昨年古馬になってからは1600万下条件を抜けるのに一苦労していたが、11月のユートピアステークスで無事勝ち抜けると休養明けの前走阪神牝馬Sでいきなり2着。3歳時の重賞戦で感じさせた力不足は本格化した今はもうない。

これほどまでの血統でも手にすることが出来ないG1勝利という称号だが、混戦模様の今回はこそいよいよという期待感は非常に強い。