【毎日王冠2022】サリオス復活へ、1800mは適距離

毎年レベルの高いメンバーが集まる「毎日王冠」。今年は10頭と頭数は少ないが、G1馬が4頭と少頭数ながらハイレベルなメンバーが揃った。

その中でも注目されるのは20年の毎日王冠を3馬身差で完勝したサリオスだ。昨年はトーラスジェミニがハイペースで逃げる中、離れた4番手追走から直線は楽な手応えで進出していき、ラスト3Fはメンバー最速の34秒1の脚で後続を突き放して快勝。古馬とはここが初対戦だったが、力の差を見せつけて難なく勝ちきった。

しかし、逆に自身が古馬となってからは長らく低迷。昨年は12月の香港マイルで3着に好走するまで馬券圏外に敗れる競馬が続いていた。初の海外遠征の後は初のスプリント戦に挑戦し、高松宮記念に出走。しかし、連続好走とはならず、15着に大敗。

このまま衰退していく流れかとも思われたが、前走の安田記念は外からソングライン、シュネルマイスターとの三つ巴の争いを展開して3着に善戦。ここへ来て復活気配を見せてきた。

その前走安田記念は、最内スタートから後方のまま見せ場なく8着に終わった昨年の安田記念とは打って変わり、今年は8枠スタートから直線も外目からスムーズに進出していき、早めに動いていく競馬でブレーキをふまずに3着に食い込む好内容の競馬。ある程度切れ味のある末脚も使えるが、昨年の毎日王冠のようにハイペースでも伸びてくるスピードの持続力が、この馬の最大の武器であることを再認識させられた。

前走は馬体重が22kg減と大幅に馬体を減らしてきており、状態面を気にして買うのをためらったファンも少なくないはずだ。しかし、終わってみれば絶好の動き。東京替わりと距離延長で明確にパフォーマンスを良化してきた。

今回は20年の毎日王冠以来約2年ぶりの1800m戦となるが、引き続きスピードの持続力が活きる東京コースが舞台となる点は好材料。半姉のサラキアは5歳秋に東京1800mの府中牝馬Sを制して重賞初制覇を果たしており、その後はエリザベス女王杯、有馬記念と連続して中距離G1で2着に入っているように、血統的にもこの時期から距離延長がプラスに働いてくる可能性も十分。

むしろこれまでマイルにこだわり続けていた点については個人的に懐疑的な見方をしていたので、ようやくこの距離で走らせてくれるここは楽しみも大きい。姉のように充実の秋を迎えられるかに注目したい。