トライアルとしての評価上昇中の紫苑ステークス、今年も秋華賞へ直結なるか?

同じ秋華賞トライアルでも、ローズステークスでは勝負にならない馬が集うといったイメージのあった紫苑ステークスが今週中山競馬場で開催されます。とは言え、近年ではここをステップに秋華賞を勝ったショウナンパンドラやヴィブロスなどがいます。奇しくもどちらも紫苑Sでは勝利を逃し2着でしたが、後に秋華賞のみならずそれぞれジャパンカップとドバイターフを優勝した本物の実力馬。レースの格付けこそローズSよりも落ちるものの、レースレベル自体はやはりその年の出走馬に依存するものだと改めて実感しました。

というわけで、今年もローズS組を巻き返す箱入り娘を探したいところですが、果たして今年のメンバーはどうでしょうか。前走のHTB賞の記事でも推奨しましたディアドラに引き続き注目です。岩田騎手が中山まで参戦して継続騎乗となります。本賞金1500万円は今年の秋華賞参戦にはまだ青信号とは言い難い額です。今回余裕があるのはライジングリーズンと、ブラックオニキスも抽選なしで出走ができるラインは超えている。

ディアドラにとって中山コースは勝利こそないものの2着の経験があり、右回りの坂コースも問題なくこなす下地はあります。気になるデータとしては、過去10年でミンティエアー、デリキットピース、ピュアフリーゼ、といったオークスでも健闘した馬たちが馬券圏外に消えている点。ビッシュはオークス3着からの復帰初戦で勝利を飾りようやく人気に応えた馬が現れた形。オッズ上では順当決着でしたがデータ上では波乱が起きていたとも言えます。

さて、今年のオークスで4着と大健闘だったディアドラはどうなるでしょうか。昨年からG3に格上げされたことなどもあり、流れが変わって来ている可能性は大いにあります。本賞金こそ平坦な中の1頭ですが、実績を見れば格上はやはりこの馬。秋華賞への直通切符3枚を取るため23頭が登録してきた紫苑S、フルゲートはほぼ間違いありません。勝ち馬こそ秋華賞へ直結していませんが、2着なら芽がある不思議なレース。ディアドラの勝ち負け含め、秋華賞へ向けてもぜひ注目してもらいたいレースです。