【函館スプリントS予想2025】絶好の狙い目は展開利見込めるゾンニッヒ

今週から開幕する函館開催。その初日土曜に組まれているのがG3「函館スプリントステークス」だ。
かつては、北海道シリーズの開幕重賞という位置づけながら、秋のスプリントG1へ向けた一戦としては、さほど注目されないレースだった。
しかし近年、その評価は確実に変わりつつある。昨年の勝ち馬サトノレーヴは、その後高松宮記念を制覇。一昨年の3着馬トウシンマカオもスプリンターズステークスで2着に好走し、3年前の勝ち馬ナムラクレアはG1勝利こそないものの、常にスプリントG1で上位に食い込む活躍を見せている。もはやスプリント路線の重要な前哨戦といえるだろう。
今年はそのナムラクレアが再び出走。3年前に斤量50kgで勝利した実績を持つが、今回は57kgを背負っての登場となる。実績にふさわしい評価を受ける一方で、斤量増と相手関係から混戦ムードが漂っている。
その中で注目したいのが、ラブリーデイ産駒の7歳牡馬ゾンニッヒである。父が宝塚記念と天皇賞(秋)を制した中距離の名馬ということもあり、デビューから4歳夏までは中距離路線を歩んでいたが、その後は短距離路線へシフト。マイル以下のレースを使われるようになり、オープンで2勝を挙げ、重賞でも好走するまでに力をつけてきた。
重賞勝ちはまだないが、今回が最大のチャンスといえる。というのも、出走メンバーを見渡すと、逃げ・先行タイプが非常に多い。ナムラクレアは差し脚が安定してきているが、それ以外の有力馬のジューンブレア、カルチャーデイ、ペアポルックスなどの4歳勢は、いずれもスピードを武器に前で運んで好成績を残してきた馬たちである。
さらに、洋芝特有の傾向もあってか、今回はダート路線からの参戦馬が3頭も出走してくるが、いずれも先行脚質で、初芝で積極的に前を取りに行く構えだ。こうした事情を総合すれば、レースは前が激しくなる展開が濃厚と見ていい。開幕週とはいえ、差し・追い込みの馬が浮上する展開になる可能性は高い。
そうなればゾンニッヒの出番である。昨年のこのレースでは外枠から鋭く伸びて5着。勝ち馬とは0秒4差の6着だったが、差し馬の中では最先着の内容ある競馬をしていた。開幕週で前が止まらない馬場状態を考えれば、健闘といえる走りだった。
だが今年は状況が違う。先行争いは昨年以上に激しくなりそうで、ペースもさらに速くなる可能性がある。展開が向けばゾンニッヒが昨年以上の結果を残す可能性は十分にある。
以上の点を踏まえ今年の函館スプリントステークスは、展開利を最大限に活かせるゾンニッヒに重賞初制覇に期待をかけたい。