桜花賞馬、短距離女王に欧州一流種牡馬を配合。オーナーの思惑や如何に?

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日本古来の血統に欧州の一流種牡馬を付けるスタンスが続けてきたのが、64年ぶりの牝馬によるダービー制覇を成し遂げたウオッカの繁殖牝馬としての生活でした。

血統面を見ても日本で流行のサンデーサイレンス系、キングマンボ系がともに付けやすい背景ですが、谷水オーナーはフランケルを始めとした欧州の一流種牡馬との種付けを選択しました。

もしも国産系種牡馬を付けていたらどうなっていたのかは誰にもわかり得ないところですが、そういった意味でも注目したいのが廣崎利洋オーナーの所有馬たちです。

2015年に桜花賞を逃げ切りで制し、その後もダート転戦など幅広い舞台で注目を集めたレッツゴードンキや、短距離女王ストレイトガールなどのオーナーで、レッツゴードンキはキングカメハメハ産駒、ストレイトガールはフジキセキ産駒でサンデーサイレンス系ということもあり、種付けにはウオッカと同じく欧州の一流種牡馬を選択しました。

レッツゴードンキはアイルランドに渡りガリレオの仔を無事受胎しました。欧州と日本では適性が大きく異るというイメージもありますが、フランケル産駒が一定の成功を収め、ドイツ血統の繁殖牝馬が根を広げてきているように、種牡馬群雄割拠の時代には注目の血統とも言えるかもしれません。

また、ストレイトガールは2018年にフランケル産駒をイギリスで出産し、続けてフランケルの仔を受胎したまま日本へ帰国し、今年2番仔を産んだのちロードカナロアの仔を受胎した状態でアイルランドへと渡りました。

アイルランド産のロードカナロア産駒ということになりそうですが、オーナーは日本で走らせる意向とのことで、ストレイトガールとロードカナロアの仔がマル外として日本へ逆輸入といった異色の経歴を持った馬となりそうです。

日本競馬の近代化はノーザンテースト、ブライアンズタイム、そしてサンデーサイレンスといったように北米からの血統がもたらした影響が非常に強いですが、今後欧州からの流れが出来ていく可能性もあるかもしれませんね。