【高松宮記念2016回顧】予想された大混戦も終わってみれば人気順の着順

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27日(G1)の中京競馬場では春のスプリント王決定戦の高松宮記念が開催された。中京の芝コースは良馬場でレースが行われ、非常に速い時計が出る馬場状態であった。

高松宮記念の前半600メートル通過タイムは32.7で勝ちタイムが1:06.7のレコード。同じ日の7レースの古馬500万の芝スプリント戦の前半600メートルが33.1であり、勝ち時計が1:07.3。条件戦で1分7秒台前半が出ているぐらいだから、よっぽどのスローペースにならなければこのクラスであれば1分6秒台は十分に出せる馬場状態であった。

このような時になった時に生きてくるのが過去の競馬で速い時計を出していた馬。

ビッグアーサー

1着・ビッグアーサーは、この日はスタートを無難に出ると、道中は前から離れた4番手。ムリなく追走していた感じがあり、道中は完璧。直線は外から脚を伸ばして最後は前のミッキーアイルとの叩き合いを制し、重賞初勝利をG1の舞台で飾った。

前走・シルクロードステークス(G3)では、1番人気に支持されたが0.6差の5着に敗れている。枠順が大外枠で多少の不利はあったが、それにしても少し物足りない競馬であっただけに、メンバーが強化される本番で通用するのかという心配もあったが全て杞憂に終わった。

ビッグアーサーのスプリント戦の持ちタイムに昨年のオパールステークス(3歳以上OP)1着1:06.7というものがある。今回も同じ1:06.7。時計勝負では結果を残しており、ビッグアーサーにとってはこの日の中京は絶好の舞台になった。本来持っている馬の能力と得意な馬場状態が重なりあってのG1制覇。

ビッグアーサーの場合は、5歳であるがこの日の競馬で11戦目。キャリアが少ないこともあり、まだまだ成長できそうな感じでもある。少し気は早いが秋のスプリンターズステークス(G1)に向けて順調に調整が進むことを願いたい。

ミッキーアイル

2着・ミッキーアイルは、好スタートを決めると先行集団の3番手に。4コーナーで前2頭との差を詰めにかかり直線に入るとしっかりと脚を伸ばしてきた。この馬の場合も1400メートル戦での持ちタイムに1:19.9や1:20.3などがあり時計勝負は望むところであった。

年齢を重ねてからは、3歳時のようにマイルで好走できなくなっており、現在は1200~1400メートル戦で安定した成績を残している。次走、安田記念(G1)に向かうのかなどのローテーションも含めて注目してみたい。

今回はこの馬の力は出せている。速いペースを追いかけていっての2着だから勝ち馬とは互角の力があることは見せてくれた。

アルビアーノ

3着・アルビアーノは、ビッグアーサーやミッキーアイルと違い道中は、10番手の中団、後方からの競馬。折り合いも付いて直線では少しゴチャゴチャしたところから割って伸びてきた。

前走・オーシャンステークス(G3)5着の時よりスムーズな競馬は出来たため、この馬も力は出している。昨年のスワンステークス(G2 芝1400)1着時の時計が1:20.2。この馬も速いタイムの競馬は得意であった。

アクティブミノル

4着・アクティブミノルは16番人気での激走。昨年の秋にセントウルステークス(G2)でも10番人気でありながら逃げ切り勝ちを収めている馬である。

直近の3走の成績が9着、17着、16着。この日は初めて道中中団からの競馬をしており、ペースも流れたため、この点も激走できる要因だったかもしれない。切れる脚はないが追って味があるタイプである。

エイシンブルズアイ

5着・エイシンブルズアイは前走のオーシャンステークス(G3)1着の時とほぼ同じ競馬。前半、前が引っ張った流れを後方からドカンという形である。この馬も能力は高く次走以降も注目。

総評

終わってみれば、1~3番人気が順当に1~3着を占めた形となった。速い時計勝負と能力の高さが試された今年の高松宮記念となり、上位の3頭の力はこの日のメンバーではトップクラス。

秋までにこの3頭に割って入る馬が出てこれるかにも注目しながら、上位組の次走以降のローテーションも注目してみたい。