【菊花賞2016予想】2強の一角を崩すのは”ズブい”馬?!

記事「【菊花賞2016予想】2強の一角を崩すのは”ズブい”馬?!」のサムネイル画像

クラシック最期の一冠、「菊花賞」がいよいよ今週末開催されます。3歳馬による未知の3000m重賞初挑戦。毎年思うことではあるのですが、全頭が過去に経験したことが無い距離のレースを予想するというのは本当に難しいことです。

昨年の勝ち馬キタサンブラック。今でこそ買える馬ですが、1年前は単距離専門のサクラバクシンオーの血統で、前走セントライト記念を軽視していた私にとっては買えない馬でした。「盲点だった」。そう感じたファンも少なくないのではないでしょうか。

今年の菊花賞はクラシックを賑わせたサトノダイヤモンドとディーマジェスティが圧倒的に人気を集めておりますが、昨年のこともありますし、2頭が飛ぶ可能性も十分あると思って疑って掛かるようにしたいと思います。

2強の一角を崩すのは”ズブ”くて扱いにくい馬、カフジプリンス!

さて、2強の一角を崩すのは誰かと考えた時、筆者が真っ先に思い浮かんだのはカフジプリンス(牡3、矢作芳人厩舎)です。菊花賞トライアルの神戸新聞杯では4着に敗れましたが、敗因は明確なのでその課題さえクリアできれば頭もある一頭だと思っております。

まず前走然り、近2戦の敗因はズブさにあります。この馬はエンジンの掛かりが遅く、仕掛けても加速するまでにタイムラグがあります。乗り手にとっては必要以上に追う力が要るし扱いの難しい馬です。親戚の叔父さんが昔に乗っていた車でオートマオイルを何年も交換していないボロのエスティマがありましたが、アクセルを踏んでもワンテンポ遅れて加速するので運転が難しかった記憶があります…。ズブい馬に乗る騎手もこんな感覚なのでしょうか?

とにかく前へ&早めの仕掛け!ロングスパートで力を出し切る競馬に期待

とにかく仕掛けるのが遅いと力を出しきれないまま終わってしまうため、なるべく早く動かせる必要があります。課題となるのは位置と仕掛けのタイミング。ズブさが有名な馬でG1・6勝の白い怪物ことゴールドシップがいますが、この馬が菊花賞を走った時の走りがカフジプリンスにとってまさに理想的と言えるでしょう。ゴールドシップが優勝した2012年の菊花賞では、序盤はいつも通りほぼ最後方からの競馬でしたが向正面から早めに押し上げて前の内目に入っていき、一気に他馬を捲って勝利しました。

最後方から押し通れるゴールドシップを真似しろとは言いませんが、ある程度前につけて、仕掛けも早め早めを意識してくれれば十分勝ち負けできるでしょう。近年の菊花賞の傾向からもスローペースは濃厚で、やはり前へ出していかないとこの馬にとっても損になります。ズブい馬ではありますが、スピードにノッてからのポテンシャルは2強に脅威を与えるだけのレベルのモノは秘めており、3走前の夏の阿寒湖特別(1000万下)では2600mという長距離戦で向正面からのロングスパート戦で古馬を相手に勝利しています。

鞍上の岩田騎手は豪腕の持ち主ですし、阪神大賞典で乗ったゴールドシップや菊花賞で乗ったデルタブルースの時のような好騎乗を見せてくれれば圧勝してもおかしくありません。春のクラシックを賑わせた2強に目がいきがちですが、この人気でカフジプリンスが買えるのも今だけかもしれないと思うと買わずにはいられません。