2015年第152回天皇賞・秋で絶対に抑えておきたい見どころ3点

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2015年11月1日(日)いよいよ明日の開催となりました、第152回天皇賞(秋)。すでに予想も準備もバッチリな方も、これからじっくり予想を吟味する方にも、ぜひ知ってもらいたい天皇賞の見どころをご紹介いたします!

天皇賞とは

天皇賞とは、その名に天皇の名を関する通り日本に近代競馬が根付いたころから続く由緒正しきレースで、今回で152回を数え、天皇賞の前身であるEmperor's cupから数えれば110年の歴史を誇るレースです。年末の総決算である有馬記念や、国際化に伴い創設されたジャパンカップなど、純粋なレースの格で言えば一番とは言えない部分はありますが、日本に根づくレース感で言えば、最も重要なレースであると言っても過言ではありません。

私の生まれる前の話になりますが、1980年までは「勝ち抜き制」と言い、天皇賞に一度勝つとそれ以降の天皇賞には出走出来ないというルールがありました。天皇賞に勝った馬がその次に負けてしまっては、せっかくの馬の格が落ちるという意味や、優秀な馬には繁殖の仕事に回ってもらうという側面もあったようです。競走馬が競馬のみならず軍馬や生活に根ざしていたころの名残というのもあるでしょう。

そういった意味でも、やはり他のレースとは取り扱われ方が一段違ったという歴史があります。今ではG1という一括りになりますし、賞金面でも他のレースに劣る部分がありますが、こういう背景を知ってるのと知らないのとでは、レースに臨む心持ちも変わるのではないでしょうか。

多彩なステップレース

御存知の通り、秋の天皇賞は2,000mでの開催になりますが、ステップレースである3つのレースはそれぞれ、産経賞オールカマーが2,200m、毎日王冠が1,800m、京都大賞典が2,400mとばらばらの距離となっています。優先出走こそありませんが、G1級の古馬王道としては宝塚記念からの直行も珍しくありませんので、宝塚記念すらも前哨戦として見る向きもあります。

ステップレースが多様なだけに、様々な距離適性を持った競走馬、しかもそれぞれの方面で名を売っている馬が集まりやすいのです。例えば本戦マイルの前哨戦もマイルでは、同じマイラーだらけで、ひょっとしたら見たことのあるメンバーだらけの対戦ともなりかねませんが、天皇賞(秋)では1,800~2,400それぞれが得意な競走馬たちが勝ち抜けてきました。

オールカマーからは昨年の秋華賞馬「ショウナンパンドラ」、毎日王冠からは花開いた逃げ馬「エイシンヒカリ」、京都大賞典からは今年重賞5勝の宝塚記念馬「ラブリーデイ」が出走。この3頭だけでも十分に見応えがありますが、その他出走馬にもG1馬が盛りだくさんで予想が非常に難しく、アタマを悩ませている方多数なのではないでしょうか。

年末まで続くG1戦線

秋のG1ラッシュがスプリンターズSを皮切りに始まりましたが、前2週は秋華賞、菊花賞と3歳馬路線となり、古馬の王道はこの天皇賞から改めてはじまります。フルに使う場合は天皇賞(秋)→ジャパンカップ→有馬記念と出走する場合もあります。

もちろん天皇賞自体も本番中の本番ではありますが、各陣営にとって本当の狙いがジャパンカップへ向けてのステップであったり、有馬記念を見据えたものであったりするかもしれません。JRAでは手を抜くと罰則が与えられるため、勝ちにいかないわけではありませんが、今後続くローテーションを見る側も意識することで、たとえ天皇賞で負けた馬だとしてもジャパンカップで主役となることは大いにありえることです。

勝馬だけに注目するのではなく、良い走りをする馬を今後のレースで抑えるためにも見つける、そういった見方もできるレースです。

以上、天皇賞の歴史的背景、多彩な馬が集まるレース、この後つづく古馬王道ローテーションなど、を意識してみることで、天皇賞だけでなく競馬をもっともっと楽しめるものになるでしょう!ぜひ抑えておいてもらいたい、天皇賞の見どころ3点でした。