知られざる大記録?五十嵐雄祐騎手56年ぶりの快挙達成

気づけば2017年も2週間が経過しました。歴史的快挙と騒がれた日本ダービーを牝馬ウオッカが制覇したのが既に10年前、ずいぶん昔に思えます。牝馬でのダービー制覇は64年ぶりとのことで当時騒がれました。わたしの中で牝馬の日本ダービーといえば、ウオッカから更に遡ること11年。2歳女王ビワハイジが、それまでの逃げ・先行とは打って変わってなぜか後方からぽつんと追走していた記憶が蘇ります。ビワハイジの敗戦からウオッカが挑むまで牝馬のダービー挑戦自体がなかったということもあり、やはり歴史が覆されるまでにはそれなりの年数がかかるんですね。

そんな半世紀以上かかることもある日本競馬の記録ですが、JRAで昨年56年ぶりに達成された記録についてあまり触れられていない印象もありますのでご紹介いたします。障害レース年間100回騎乗達成の五十嵐雄祐騎手です。1960年の長池辰三騎手が達成して以来、56年ぶりの記録となります。1999年に障害競走の大幅な見直しが行われてからは、はじめての記録でもあります。

平地なら100回なんて回数は記録にも記憶にも残らない話でしょう。リーディングジョッキーならば100勝が当然の世界です。ですが、年間のJRAの障害レースの数を知ったら、驚愕することになります。昨年の障害競走はローカルを含めても128レース。五十嵐騎手が100回騎乗を達成したのが10月29日の新潟競馬場でのこと。そして2016年の最終騎乗数はなんと119レース。無事是名馬とはいいますが、騎手にもいえることなんですね。

ケガもつきもの、かつレース数も平地より圧倒的に少ない障害レースでこの数字は驚異的な騎乗数といえます。
平地の騎乗数でいえば年間1000回騎乗を達成している幸騎手、北村宏騎手が注目はされますが、分母の数が明らかに違うだけに、厩舎サイドからの絶大なる信頼が感じられる数字です。

とはいえ、そんな五十嵐騎手が乗っていなかったビッグレースの中にはG1中山グランドジャンプも含まれています。年末の中山大障害も参加こそしたものの結果が残せませんでした。重賞勝ちが2014年のアポロマーベリックの中山グランドジャンプまでさかのぼってしまうだけに、記録は偉大なものだと思いますが、そろそろ重賞での存在感もあわせて見せつけてほしいものです。