ヴァーミリアン種牡馬引退し乗馬へ

競走馬の引退後の処遇について、こと牡馬に関して言えば最大の成功としては種牡馬となるということではないでしょうか。牝馬に比べ子孫を残すのは原則的に並大抵の成績では成し得ない偉業です。当の馬自身がどう思っているのかは「馬耳東風」「馬の耳に念仏」といったように、人間にはわからない領域の話になりますが、人気種牡馬となれば仕事の過酷さは競走生活よりも上かもしれません。

父エルコンドルパサーの血を繋ぐべくスタッドインしたヴァーミリアンもそんな種牡馬の1頭でしたが、気がつけば今年で16歳ということで、2017年末にそのお役目を終え種牡馬を引退しました。競走馬時代は地方交流を含めてG1を9勝。これまでに200頭以上の産駒が勝ち上がり、重賞ウィナーも輩出しています。ホッカイドウ競馬から中央でも活躍したリュウノユキナが現役で走っているため、まだまだ今後も種牡馬としての戦績を伸ばす余地は秘めています。

競走生活を終え、種牡馬を引退してもまだ余生とは言い切れないのが経済動物サラブレッドの運命。浦河町のイーストスタッドから現在は苫小牧のノーザンホースパークに移籍し、今後は乗馬として生きていきます。体調も問題なく、環境にも慣れてきているようです。現役時代も気性に悩まされていた馬でもなかったため、仲間たちと共に穏やかに暮らせているでしょう。

現役時代には馬券でお世話になった方も多いでしょう。現在は2月ということで牧場への旅行シーズンにはまだ早いですが、気軽に会える環境になったヴァーミリアンに、ぜひ一度会いに行ってみてはいかがでしょうか。