重馬場巧者と言えば、どの馬を思い出しますか?

競走馬には様々なタイプがいて、「重馬場巧者」と呼ばれる馬が存在します。競馬新聞などでも馬柱のどこかに必ず、「重馬場巧拙」などの項目があり、重~不良馬場時の成績が記載されていて、馬券を買うファンにとって重要なファクターの一つとなっています。

さて、皆さんが「重馬場巧者」といって、思い出す馬はどの馬でしょう。よく知られるところでは、不良馬場で行われた、1989年の弥生賞を快勝したレインボーアンバー。1.4倍と断然の支持を集めたサクラホクトオーが後方で苦しむ中、2番手追走→四角先頭からスイスイと脚を伸ばして、2着馬に1秒4もの大差をつける圧勝劇。その後、良で行われた菊花賞でも2着しているわけですから、力があったことも確かですが、馬場が渋ればさらに・・・というタイプであったことは間違いありません。

あとはオールカマーを2分12秒0のコースレコードで快勝したホッカイルソーですが、より印象が強いのは不良馬場をモロともせず、力強く差し切った日経賞のほうではないでしょうか。重の弥生賞でも、あのフジキセキに肉薄しての2着。こちらも重馬場巧者の1頭と言っても過言ではありません。

オールドファンなら、1973年の函館3歳Sを快勝したサクライワイでしょうか。芝1200とは到底思えない勝ち時計1分21秒7。いかに馬場が悪かったかということが分かる一戦ですね。

最後は個人的な印象が一番強い、スガノオージ。初めての重賞挑戦となった新潟大賞典2着が重馬場。続くエプソムCも重馬場で2着。洋芝の札幌記念3着を挟み、この馬の真骨頂とも言える毎日王冠を迎えます。当日は降雨の影響が強く、馬場は重馬場発表以上に渋った印象さえありました。レースではスッと先手を奪うと、最後まで危なげなく楽勝とも言える内容での逃げ切り。とても10番人気馬のレースではありませんでした。

「雨が降ったらスガノオージ」

これが20年以上経った今でも、私の中に残る強烈なワンフレーズです。