【JRA皐月賞2023予想】ソールオリエンスの3つの〝危険サイン〟とは?
いよいよ牡馬クラシックの第一弾となる皐月賞が中山競馬場で開催。今年は弥生賞、スプリングS、若葉Sのトライアル3レースで出走権を獲得した8頭が全て参戦。G1馬が不在、かつ直接対決済みの有力どころが少なく混戦模様だが、共同通信社杯、きさらぎ賞、京成杯の勝馬が揃って参戦と、今年もハイレベルなメンバーが揃った。
どの馬を中心にするか十人十色となりそうなメンバー構成だが、主役候補となり得る楽しみな1頭として注目しているのは、デビュー2戦目での重賞挑戦となった京成杯を制したソールオリエンスだ。
期待感を高める理由は“素質の高さ”。前走の京成杯は直線手前で一度は先頭集団に迫るも、4コーナーで大きく膨れるロスがあり勝負どころで前と差が広がってしまった。この時点で圏内は厳しいように見えたが、そこから一気に加速していき、大外から内を行くライバルたちをどんどんと交わして終わってみれば2着に2馬身半差をつける完勝だった。荒削りな競馬ではあるものの、“大物感”を感じさせる走りで一躍クラシック候補に躍り出た。
とは言え、実際は不安も少なくない。人気上位に推される可能性が高いだけに、“危険な人気馬”として判断する必要性も出てくると考える。
まずはキャリア2戦はいずれも9頭立ての少頭数だった点。本番は18頭とこれまでの2倍で、多頭数経験無しがどう影響するかは未知となる。勝ち気な面はこの2戦は良い方に出ているが、気性の危うさは残っている。多頭数で揉まれる競馬になった時、悪い方に出てしまった時が怖いというのはあるだろう。
そしてもう一つが中山コースの適性だ。前走は勝ちきってくれたが、直線の挙動を見てもストライドが伸びる走りをしているので中山がベストという印象は薄い。大飛びな走法からも広い東京コースの方が合いそうで、クラシックならここではなくダービーの方が向いているのではないだろうか。
そして最後はキャリアの2戦はいずれも極端な展開だったという点。東京1800mの新馬戦は前半600mが39秒5、中山2000mの京成杯は前半1000m通過1分02秒2といずれもかなりのスローペースだった。今後ペースが上がって、同じような脚が出せるかどうかというところもカギとなりそうだ。
スケールの大きな馬ではあるが、少頭数のスローペースと極端な展開での勝ち馬になるので、実際評価は非常に難しい1頭だ。条件が変わるここは過剰に信頼しすぎるのは危険と思ったほうがよいかもしれない。