JRA美浦Wコースで自動計測システム導入スタート、今後はラスト1F10秒台も?
美浦トレーニングセンターでは27日から、美浦Wコースでの自動計測システムがスタート。すでに東西トレセンの坂路では導入されていたが、平地では初となる。
自動計測システムの仕組みは至ってシンプルで、1Fごとに受信アンテナが設置されており、専用のICタグを付けた馬がゴール板を通過すると、モニター画面に即座にタイムが表示されるという仕組みだ。自動計測は最大10Fの計測が可能だが、ゴール地点を通過しないと表示されない。
これまでは競馬専門紙のトラックマンによる神業的なストップウオッチの指さばきで手動で計測されてきたが、メディアによって追い切り時計が1秒以上も差が出る現象が多々あった。また、霧や雪による視界不良などで計測不能になるケースもあった。手動計測による誤差が無くなり、天候に左右されずに供給できるようになったのは大きな前進と言えよう。
手動の場合、調教スタンド内のトラックマンの計測する位置によって時計の数値が変わる場合があり、ラスト1Fはとくに計測しにくいところがあった。導入後はラスト1Fで速い時計が多く出てくると予測されていたが、28日にさっそく追い切りが行われると、予測通り軒並みラスト1F11秒台の好タイムが連発した。
ラスト1Fで12秒を切るかどうかで瞬発力が使えるかどうかを判断していたファンも少なくないと推測されるが、今後は調子が良ければ10秒台の時計をマークしてくる馬が出てくる可能性もあると言う。自動計測開始後も厩舎の調教方法自体は変わらないため、今後の追い切り評価においてラスト1Fの“11秒台”という評価を改めなくてはならなそうだ。