【有馬記念2016予想】様々な思いを背負い悲願のGⅠ初勝利へ向けてサウンズオブアースが走る

血統が良く実力もあり、長く期待されながらもなかなか勝ち鞍に恵まれないという馬も珍しくない。サウンズオブアースもその一頭で、いくつものGⅠレースに出場しながらも結果は2着止まり。2016年の有馬記念では悲願のGⅠ初勝利を目指している。

実は今年はサウンズオブアースにとって、有馬記念で勝利する最後のチャンスと言える。過去10年に渡ってデータを遡ると、有馬記念で6歳以上の馬が勝利した記録は無い。2着が1度、3着が3度あるだけで、しかも3着は2度が同じ馬である。つまり、この10年で馬券になった6歳以上は延べ4回、3頭しかいないということ。

現実的に見て、サウンズオブアースが翌年以降有馬記念で勝利する可能性はほぼ皆無だろう。常に惜しい所まで来ていながら、ギリギリその手が栄光に届かないというもどかしさが、ファンの心を惹きつけているのかもしれない。

そのため、有馬記念でも当然人気は高くなると予想される。先日のジャパンカップで好騎乗を見せたデムーロ騎手が引き続き騎乗。昨年の有馬記念にも騎乗していて、ともに2着という好成績を残している。だからこそ、今年こそという思いが強くなっているのだろう。

先のジャパンカップではレース終盤までじっくりと足を溜め、ラストの直線で足を爆発させて一気に他を差したものの、キタサンブラックに逃げられてしまった。昨年の有馬記念でも素晴らしい末脚を見せたものの、ゴールドアクターにわずかに届かなかった。しかし、その伸びは十分に次の勝利を期待出来るものであり、レース展開に関する評価自体も決して悪くない。今年の有馬記念でも同様の形を展開出来れば、悲願の初勝利は決して夢ではないだろう。

サウンズオブアースの獲得賞金は並の馬には到底負けない。これまでに4億円以上の賞金を手にしているはずなのに、未だに勝利は2つで、主な勝鞍は500万下条件のはなみずき賞。善戦マン返上を囁かれながらも短くない。果たして今度こそ、その不名誉な称号は返上できるか?

傾向を信じるのであれば1着の軸には選択しづらいが、紐には絶対に入れるべき1頭だ。サウンズオブアースにとって、今年の有馬記念は様々な物を背負ったレースであることは間違い無い。