【京王杯2歳S2017】抜群のスプリント適性を持つタワーオブロンドン、完成度はすでに高い

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阪神ジュベナイルフィリーズと朝日杯フューチュリティSの前哨戦として位置付けられている「京王杯2歳S」が、今週4日(土)に東京競馬場で開催されます。今回が初の重賞挑戦となる馬がほとんどでキャリアもまだまだ少ないですが、少しづつ2歳馬の実力がわかっていくのも楽しさの一つ。2歳王者決定戦へ向けたこの一戦は見逃せません。

有力馬の一角として注目を集めているのは、タワーオブロンドン(牡2、美浦・藤沢和雄厩舎)。夏の札幌競馬でデビューし、逃げ切り勝ちで白星デビューを果たすと、2戦目のクローバーSでは札幌2歳Sで3着だったダブルシャープを相手に2着に入線。3戦目となる前走のききょうSでは後方から2頭目を追走し、直線は大外から1頭だけ違う脚いろで前をとらえると、一気に後続を突き放し、3馬身半差をつけて快勝しました。

2歳にして512kgという迫力ある馬格はスプリンターとして素質を感じさせますし、デビュー戦から同馬の手綱を握っているC.ルメール騎手も「すごくいいスピードを持っている。体がスプリンターっぽいし、短い距離が合いますね。次のロードカナロアです」とデビューから大絶賛していたほどの馬です。あのロードカナロアの名前を出すくらいですから、相当強い馬なのでしょう。

タワーオブロンドンは父Raven's Pass、母スノーパイン、母父Dalakhaniという血統。重厚な馬体から繰り出されるフットワークはいかにも欧州型といった感じですし、ノーステッキで快勝した新馬戦や豪快な末脚を見せた前走のレースぶりからも、スプリンターとしての潜在能力の高さが現れております。鞍上のルメール騎手も、前走勝利後は「前走1500mでは最後止まりましたし、体もスプリント体型。スピードがありますし、距離は短い方がいいと思います」とスプリンターとして素質があることを指摘。今回の東京の芝1400mで行われる京王杯2歳Sは的距離と言えるでしょう。

キャリアも少なくまだまだ未完成な馬が多いこの時期ですが、その中ではタワーオブロンドンは非常に完成度の高い1頭。デビュー戦ではノーステッキの逃げで圧勝でしたが、近2戦は差す競馬。広い東京コースで紛れがなければ末脚の爆発力が活かせるでしょう。馴染みは少ない血統ですが、朝日杯へ向けた面白い存在です。

相手には、小倉2歳Sで厳しいペースを押し切って勝利した武豊騎手のアサクサゲンキや、左回り1400mは負け知らずの連勝中であるM.デムーロ騎手のタイセイプライドなど、タワーオブロンドン同様にまだまだこれからが楽しみな馬たちが揃っております。

キタサンブラックは引退まであと2戦となりましたし、今年はロゴタイプやビッグアーサーといったスターたちが引退を表明。今後の競馬界を引っ張っていくようなスター誕生にも期待しながら、秋の2歳戦を楽しみにしていきたいと思います。