【有馬記念予想2017】キタサンブラックに待ったをかけるのは!?世代交代を狙う3歳の刺客!

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有馬記念は、世代交代を目論む3歳馬とこれを迎え撃つ古馬勢の戦いでもある。過去にはテイエムオペラオー、ブエナビスタといった名馬が有馬記念で引退レースを迎えたが、3歳馬のマンハッタンカフェ、オルフェーヴルが2頭を負かし、まさに世代交代を告げる勝利を果たした。

今年も一頭の名馬が引退を有馬記念で告げようとしている。G1・6勝と現役で走る競走馬の中では最多のG1勝利数の記録を持つ現役最強馬キタサンブラックだ。ここで有終の美を飾ることができれば、ディープインパクトやテイエムオペラオーといった名馬に並ぶG1・7勝をマークし、獲得賞金でもテイエムオペラオーに次ぐ歴代2位にランクインすることになる。勝って引退するのか?負けて引退するのか?今後歴史的名馬として語り継がれていく上でも結果によって印象は大きく変わってくるだろう。キタサンブラック陣営にとっては偉大な記録がかかった重要な一戦である。

キタサンブラックに待ったをかけるのは!?世代交代を狙う3歳の刺客!

そんなキタサンブラックを相手に世代交代を狙うのは今年のダービー2着馬・スワーヴリチャードだ。ダービーでは正攻法でレイデオロの2着に入着し、前走のアルゼンチン共和国杯では初の古馬との対戦だったにも関わらず、直線内から力強く伸び、後続に2馬身半差をつける圧巻ぶりを披露した。ダービーからぶっつけのアルゼンチン共和国杯を制し、中6週で有馬記念とローテーションにも余裕がある。今秋は絶好調のミルコ・デムーロ騎手との継続騎乗も早々に決まり、臨戦態勢はバッチリだ。

ジャパンカップでは3歳馬でダービー馬のレイデオロがキタサンブラックを差し切っていることを考えても、この世代の強さはホンモノだということはすでに証明されている。スワーヴリチャードの前走、アルゼンチン共和国杯を見てみると、ある程度流れたペースの中でも最後の直線ではしっかりと鋭い加速を見せているし、ダービー2着で見せた踏ん張りも高く評価できるパフォーマンスである。キタサンブラックを負かせる能力は十分に備えていると考えて良いだろう。

スワーヴリチャードの唯一の不安要素とは?

今回は春の皐月賞(6着)以来となる中山コースだが、ここはスワーヴリチャードが唯一大きく崩れた舞台でもある。今回のこの馬の一番の不安要素とも言っていいのが、右回りの適性だ。デビュー戦と2戦目こそ、右回りの阪神競馬場のレースで2着、1着という結果を残しているが、相手はまだ能力の高さだけで勝てる相手であった。一線級の相手が揃う有馬記念でとなると、ごまかしは効かないだろう。

手前を替えれずに走った皐月賞の走りからも、そこまで器用さのある馬ではないことがわかる。ハーツクライ産駒らしい雄大な走りと粘り強さは直線が長くて広い東京コースでは大きな武器となるが、小回りでトリッキーな中山コースでは器用さに欠けるという弱点が浮き彫りになってしまう可能性が高い。

陣営ももちろんそのことは把握しているだろうし、有馬記念に向かう以上は間違いなく対応してきているはず。前走では馬体重がプラス10kgと馬体もひと回り大きくなり、さらに古馬と一戦を交えたことで間違いなく成長してきている。春のころとは別馬と考えれば、右回りも案外あっさりと克服してしまうなんてことも十分ありえるだろう。まだまだ伸びしろがあり今後も更なる成長が見込める3歳馬のスワーヴリチャードにとって、この有馬記念もまた一つの通過点に過ぎない。現役最強馬の称号を手に入れ、古馬となる来年の更なる飛躍へ繋げたい。