【大阪杯予想2018】シュヴァルグラン、最大の不安要素は“距離の短さ”か

長らく手綱を握っていた主戦騎手の福永祐一騎手から、京都大賞典でM.デムーロ騎手に乗り替わると3着に入線。続くジャパンCでは、短期免許で来日していたH.ボウマン騎手とのコンビで見事にG1初優勝を果たし、続く有馬記念でも同コンビで3着に入り、昨年秋は好調ぶりを示したシュヴァルグラン。今年は大阪杯から始動しG1・2勝目を狙います。

大阪杯で手綱を握るのは、初コンビとなる三浦皇成騎手です。一時期は大怪我で苦しい時期もあった三浦騎手ですが、今年は先週の高松宮記念で10番人気のナックビーナスで3着に入線し、前回のG1のフェブラリーSでも6番人気のインカンテーションで3着に入線するなど、大舞台で人気薄馬を2連続で馬券圏内に持ってくる健闘ぶりを披露。

この後シュヴァルグランは天皇賞春へ向かう予定となっており、ここではすでに今年1月にボウマン騎手とのコンビで挑むことが陣営より発表されております。大阪杯は代打騎乗となる三浦騎手ですが、今回乗る馬は人気薄ではなくライバルたちより力は一枚上の馬。自身のG1初タイトルがすぐそこに見えているだけに、本人としてはこの大きなチャンスを無駄にはしたくないところでしょう。28日に行われた共同記者会見では「今までで一番勝ちを意識しているレース」と三浦騎手本人もコメントしており、初のG1獲りへ意欲を示しております。

しかし、ここは天皇賞春へ向けた叩きという見解もあるかと思います。天皇賞春は3着、2着と2年連続で馬券に絡んでおり、陣営としては「今年こそは」という想いもあるでしょう。大阪杯の日はオーナーの佐々木主浩氏もドバイターフの連覇がかかったヴィブロスの応援で現地ドバイへ行っているようですし、本番はジャパンCを制したボウマン騎手で挑む点からも、本気度は天皇賞春の方が高そうです。

とは言え、休み明け明けを苦にするタイプの馬でもありませんので、叩きだから走らないと決めつけるのは早計。評価が難しい馬なだけに、意外と魅力的なオッズとなる可能性もあるでしょう。

最大の不安要素のは“距離の短さ”か

不安要素はなんと言っても2000mという距離がどう出るかでしょう。これまでシュヴァルグランが活躍してきた舞台は2400m以上の王道路線。後ろからの競馬というイメージが強い馬ですし、脚質的にも狙いづらいというのが正直なところです。

しかし、2走前のジャパンCでは5番手好位の最内から淡々とした流れに着いていき、逃げたキタサンブラックを交わし、レイデオロの猛追もしっかりと抑えて快勝しました。スタートで置かれることが多かった馬ですが近走はゲートも安定しており、ジャパンCで見せたような前半の競馬の良さが今回も見られるようなら、2000mでも通用するのではないでしょうか。

ジャパンCは展開や最内枠に救われた点もありますが、ある程度流れて今回もスタートから好位に着ける競馬ができればこの馬向きのレースとなりそうです。アルアインやペルシアンナイトといった皐月賞の連対馬たちの方が適性面を考えれば買いやすそうですが、左回り巧者のスワーヴリチャードや、初阪神となるミッキースワローといった有力馬と比べれば適性面ではこちらに分がありそうです。

ジャパンCを勝つまではG1に6度挑戦して「0-1-2-3」となかなか手が届かなかったG1タイトルをやっと掴み、姉ヴィルシーナ、妹ヴィブロスに続くG1ウイナーとなったシュヴァルグラン。これまでのG1成績が「0-2-6-63」となかなかタイトルに手が届かない三浦騎手が、近走好調のG1馬の力を借りて、悲願の中央G1初制覇を達成するかというところは一つの見所となりそうです。

個人的には、スランプ時代と大怪我を乗り越えてG1戦線で奮闘する三浦騎手にぜひともG1タイトルを、という気持ちもあるので、後悔のない買い方をしたいと思います。