競馬初心者にオススメのパドックの見方
競馬の基本、それはなんと言ってもまずは競馬場に行くところから始まる。最近は携帯電話やスマートフォンから馬券が購入できる時代になり、実際に競馬場に足を運ばずとも楽しめる環境が整っている。しかし、実際に競馬場へ出向いてパドックを歩く馬の様子を観察したりレースの様子を観察することで馬券の予想に役立つことも多くあるのだ。パドックの様子はテレビだとグリーンチャンネルで放送されているが、自分の見たいところを毎回映してくれるとは限らない。やはり実際に競馬場へ行き、間近で見たい競走馬をじっくりと観察するのが環境的にはベストである。ただ、パドックで歩く競走馬を見てもどこを見ていいかもわからないし、見たところで自分にはサッパリ馬の調子なんてわからないという人がほとんどだろう。今回はパドックにおける馬の見方をいくつか紹介させていただこうかと思う。
馬の「精神状態」を観察してみよう
まず最初に行うのは「場所取り」だ。パドックの前には大勢の人が集まる場合もあるので馬の周回時間ギリギリで行くと近くで見れない場合がある。特にダービーやG1などのレースでは人が沢山集まっていて観察できる場所がキープできないので、まずはいかに馬の見える場所をキープするかが重要となってくる。
馬が見れる場所をキープできたら次は「観察」だ。まずは難しいことは抜きにして、馬の細かな部分ではなく全体を通して馬がどういう状態かを観察してみよう。馬は落ち着いているのか?もしくは興奮しているのか?まずはそんなところから見てみよう。勢いよく首を振っていたり、途中で止まったり脚を頻繁に動かしている、こんな姿は落ち着いているとは言い難い。そんなに暑くないのに汗をかいていたり、鼻息が荒く手綱を引く厩務員の言うことを聞かなかったりしているのも興奮状態に近い。逆に元気良さそうにリズミカルに歩いているのは良い。首を上げて堂々と外側を大回りするように歩いている馬なども落ち着いていて好気配だ。このように、まずはパッと見の印象で構わないので馬の精神状態を観察してみよう。馬の全体の雰囲気から精神状態を観察すること。これがパドック診断における基本であると言えるだろう。
以下に簡単な馬体や仕草のチェックポイントをあげてみたのでこちらもご参考下さい。
- 手綱を引く必要がないくらいスムーズに歩くのはOK
- 耳が直立し、前方やや外側を向いているのはOK
- 皮膚が薄くハリがあるのはOK
- 馬体重が減っているのに、ふっくら見えた時はOK
- 馬体重が増えているのに、細く見えるのはNG
- 舌がハミを越している馬はNG
- 尻尾の動かしすぎはNG
- 男のシンボルが強調されているのはNG
馬の「ある部分」を見て健康状態を分析してみよう
なるべく全体を見る、全頭を通して見るということをオススメしているが、馬には栄養、健康状態が端的に現われる「ある部分」があり、そのある部分を良く観察することで馬の体調を判断することもできる。そのある部分というのが「毛」である。正確には「毛ヅヤ」を見ると言い、馬には短毛の犬くらいの長さの体毛があり、この体毛のツヤを見ることで状態の良し悪しが判断できるのだ。これは人間で言うところの髪の毛で、体調によって髪の毛のツヤが変わってくるところは同じである。不健康な馬は毛につやがなく、毛が立ってボサッとしてたりくすんでいたりする。ただ、毛ヅヤは手入れの良し悪しによっても多少変わってくるし、冬は冬毛が生えてくるので悪く見える場合もある。しかし本当に状態が良い馬というのはまさに馬体がピカピカと光るくらいに毛ヅヤが輝いて見える。これもなるべく全体を通して全頭見比べて、一際馬体が光っているような馬がいれば注目してみると良いだろう。
このように、パドックではあらゆる角度から馬をチェックして調子の良い馬・悪い馬を分析することができる。レースは一日に何レースも行われるので、何レース分ものパドックを見ているうちに馬の動きとレース結果の因果関係が徐々にわかってくるだろうし、馬を見る目も養われていくはずだ。パドック診断ができれば馬券が当たるとは限らないが、馬券を組み立てる上で非常に役立つ材料と言えるだろう。自身の予想力を高めたいなら実際に競馬場へ出向いてパドックの馬を観察してみることから始めてみてはいかがだろうか?