通称「カジノ法」の競馬ファンに与える影響とは?

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テレビなど報道ではカジノ法とも言われることの多い「特定複合観光施設区域整備法」が成立した。詳細は割愛させていただくが、IR法とも言われるように、カジノを含む複合観光施設(Integrated Resort)の整備に関する法案であり、カジノのみに関わる法ではない。もちろん競馬自体の何らかを制限するような法でもないが、関連する法の成立により特定の競馬ファンにとっては無関係とも言い切れない事態となっている。

カジノと言えばもちろんギャンブルをする場であり、カジノを作ることで「ギャンブル依存」になる国民が増えるのではないかという懸念がされている。それに対する索として「ギャンブル等依存症対策基本法」もIR法に先立ち成立している。このギャンブル等依存症対策基本法の第一章第一条にある「ギャンブル等依存症がこれを有する者等及びその家族の日常生活及び社会生活に様々な問題を生じさせるおそれのある疾患であり、ギャンブル等依存症の予防等が必要である」(抜粋)とあり、菅官房長官曰く「競馬・競輪、同居する家族が反対すればネットで買えなくなる。」という。

実際にギャンブル依存を抱えている競馬ファンもいる。冬のボーナスが支給されても年を越す前に全てなくなってしまったなどという話なら枚挙に暇がないほどありふれてもいる。もしもそのような使い方をしていても今までなら「一家の大黒柱だから」と半ば強引かもしれないが、自由に浪費できていた家庭も多いかもしれないが、今後は家族からの要請で馬券の購入を制限することが出来るようになるかもしれない。

前述のような無茶な使い方をしている場合は仕方ない部分が大きいのだが、問題としては“どこからが無茶な使い方になるのか”という点にある。土日の趣味に5000円と言えば大人の遊びとしては慎ましいものかもしれないが、家族から待ったが掛かればこれも制限されるものなのだろうか。

また、菅官房長官の発言でも気になったのは“ネットで買えなくなる”という点。カジノへの入場はマイナンバーカードによって厳密に管理されるためギャンブル等依存症を有するものの全ての金銭取引を制限することが可能かもしれないが、競馬場にそのようなゲートは存在しないため、窓口販売に関しては制限が利かず片手落ちとなる可能性もある。

馬券購入にマイナンバーカードか、それに準ずるアカウント発行を義務付けることが出来ればカジノ同様の運用が可能になるだろうが、新しくつくるよりも既にあるものを変更するのは更に難しいのかもしれない。

いずれにせよ、家族の理解を得られない遊び方をしている場合は見直しが必要なのは間違いがないだろう。