【菊花賞2024予想】ヘデントール✕戸崎圭太騎手、テン乗りで折り合い不安も克服可能

いよいよ今週はクラシック最終戦「菊花賞」が開催。ダービー馬のダノンデサイルが出走しているとは言え、セントライト記念・1着のアーバンシック、同2着のコスモキュランダ、神戸新聞杯・1着のメイショウタバルなどメンバーは混戦模様。

どの馬も魅力的だが、今回注目したいのは春のクラシック上位組でもなく、トライアル組でもなく、上がり馬のヘデントールだ。

東京2400mの2勝クラス、新潟2200mの3勝クラスを連勝中で、中距離路線で頭角を現してきた。前走は出負けして後方からになるかと思いきや、中団まであがって最後は進路確保して一気に差し切り勝ち。チグハグな内容ながら勝ち切ったのはさすがだが、気性面でまだまだ幼さがあるのは長距離戦においては最大のネックとなる。

そんな課題を持ちながら勝利へと導いたC.ルメール騎手の手腕はお見事だった。コンビ継続ならまだ良かったが、ルメール騎手はアーバンシックの鞍上に。今回は関西の長距離ではあまり好走イメージが沸かない戸崎圭太騎手へ乗り替わりということで、評価を下げるファンも少なくないだろう。

ただ、気性や鞍上など不安要素は多い馬だが、本質的に菊花賞は合う。前走の日本海Sは良い加速ラップで突き抜けており、鞭が入ったのもラスト100m付近とギリギリながら3馬身半突き放して快勝。2200mでもダービーと似たラップで質は高いレースだった。レース後にルメール騎手も「長距離の重賞狙えます」と三冠最終戦を見据えた発言をしており、やはり期待度は高い1頭だ。

キャリアは6戦して【4-1-0-1】。新馬戦では皐月賞馬ジャスティンミラノの2着、重賞初挑戦となった青葉賞ではオシェア騎手と手が合わず8着と、戦ってきた相手は強く負けたレースも能力の差で負けたわけではない。能力さえ出し切れば重賞級であることは明白だ。

気性面の課題はまだつきまとうが、早めに入厩して折り合い重視の調教を消化し、速い時計も出している。入厩が遅く急仕上げの印象を受けるアーバンシックに対してこちらは入念だ。新潟への長距離輸送も経験しており、輸送の不安も少なめ。臨戦過程は決して悪くない。

乗り替わりと気性面の不安から人気を落としそうだが、これで妙味もつくならむしろ有り難い。まだ底を見せていないヘデントールのポテンシャルなら、テン乗り3000mも克服してくれると見て有力視したい。