【マイルCS予想2018】混戦断つのは3歳馬？

秋のマイル王決定戦「マイルCS」がいよいよ18日（日）に京都競馬場で開催される。

近年のマイル界は混戦模様が続いている。下半期のマイル王決定戦の安田記念では9番人気のモズアスコットが優勝し、昨年のマイルCSは4番人気のペルシアンナイト、昨年の安田記念は7番人気のサトノアラジンといったように、前評判の低い馬が平気で優勝している。決してレースレベルが低いわけではないが、モーリスのような絶対的な主役がいないのが混戦の原因と言えよう。

今年は昨年の覇者ペルシアンナイトに、安田記念を制したモズアスコット、安田記念2着のアエロリット、昨年のマイルチャンピオンシップ2着のエアスピネルあたりが上位人気となりそうだ。

どれも強い馬だとは思うが、やはり各馬甲乙付け難く、圧倒的に抜けているという馬はいない。今年のマイルCSも伏兵馬の台頭は十分ありえる状況だと言っていいだろう。

そこで注目したいのは3歳馬の存在だ。まだまだ成長の余地を残している3歳馬は、4,5歳馬に比べて前評判以上の競馬をする可能性が高く、上位人気馬が混戦ムードならなおさら注意しておきたい存在だ。

今回は出走する3歳馬の中でもとくに注目度の高い有力馬2頭の動向と状況をチェックしていきたいと思う。

ステルヴィオ （牡3、木村哲也厩舎）

皐月賞4着、ダービー8着とクラシックでは名を残せなかったが、前走の毎日王冠ではアエロリットの2着に食い込み、マイル路線で力を示した。勝ち馬とは1馬身差ほど差があったが、明確に差を詰めてきており、トップスピードを長く維持できる脚は魅力で、古馬のトップマイラーにも通用することを証明してくれた。

前走はスローから下げて、直線外から長く脚を使えたのが良かったが、これがマイルだとどうか。マイルCSは極端なペースになることは少ないのでそこまで不安ではないが、昨年のサウジアラビアRCでは厳しい流れの中でも伸びて2着に入っており、ペースは流れても戦えそうだ。

2000m以上の舞台でも面白そうな1頭だが、マイルでこのメンバーを一掃する競馬もぜひ見てみたい。鞍上は主戦のルメール騎手から短期免許で来日予定のW.ビュイック騎手へと乗り替わりの予定。日本の中央での騎乗は4年ぶりとなるが、いきなり重賞制覇も期待できそうだ。

ケイアイノーテック（牡3、平田修厩舎）

ケイアイノーテックは今年のNHKマイルCを制し、3歳のマイル王に輝いた。前走の毎日王冠では古馬と初対戦し、5着に敗退。中断から進め、3～4コーナーもロスなく回り、直線も進路を外にとる良い競馬をした。ただ、直線での伸びは今一歩で、伸びに関しては同じ3歳馬のステルヴィオの方が評価できる脚だった。

切れるというよりは長くいい脚を使うタイプで、こちらも長い距離でも行けそうだ。ただ、後半に特価しすぎる競馬だとワンパンチ足りず、メンバーレベルが上がるとまだ厳しいかなという印象。太めだったのでこれも影響しているならまだまだ状態次第では直線での走りも変わってきそうだ。

どこまで成長したかは気になるところだが、マイルの路線でまだ見てみたい1頭だ。操縦性は高そうで、うまく運んで出し切る競馬ができれば今回のメンバー相手でも十分戦えるだろう。鞍上は引き続き藤岡佑介騎手の予定となっており、G1を制したコンビで再挑戦だ。