ケンタッキーダービー(2019)の出走予定馬と予想オッズ。日本馬マスターフェンサーは最低人気

今回唯一の日本馬として出走するマスターフェンサー。昨年9月に阪神の芝でデビューするが、4戦目でダートへ転身。転身後初戦で3馬身半差の圧勝を飾ると、連勝で500万下も勝ち上がり、ダート適性の高さを示した。しかし、続くヒヤシンスSで4着、伏竜Sでは2着とあと一歩のところで勝ちきれず、クラスの壁に阻まれ苦戦の走りが続いている。

そんな馬が全米1の人気を誇るG1レース、ケンタッキーダービーに出走するというのだから、ある意味では前代未聞と言えよう。ヒヤシンスSと伏竜Sはケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ「Japan Road to The Kentucky Derby(ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー)」の対象レースであり、マスターフェンサーは4位の19ポイントを獲得。今回、上位3頭(デアフルーグ、オーヴァルエース、ノーヴァレンダ)が辞退したため、繰り上がりで選出されたかたちとなった。

ケンタッキーダービーは2016年にUAEダービーを勝ったラニが武豊騎手とのコンビで挑んでいるが、9着に終わっている。過去10年で同競走に挑んだのはラニの1頭のみで、3着内に入った延べ30頭中30頭全てがアメリカ調教馬ということで、日本馬にとってはハードルの高いレースとなっている。

ラニと比較してもマスターフェンサーの実績では厳しすぎるという印象が強いが、実際英国の大手ブックメーカー「WilliamHILL」が発表しているオッズでも最低人気となっており、やはり誰がどう見ても厳しい状況だ。オッズを見なくとも、マスターフェンサー以外の出走馬はほとんど重賞戦の出走経験や勝利実績があるということを鑑みれば当然と言えよう。ポイントシリーズで出走権利を獲得できた馬が3頭も辞退し、繰り上がりで選出され、国内での馬券販売を可能するため送り込まれたと言われてもおかしくない500万下勝ちの馬ではこの前評判も致し方ない。

とは言え、アメリカ競馬の中で最も知名度が高く人気も高いケンタッキーダービーがこうして買えるようになったと考えれば日本の競馬界にとっては大きな進歩。国内からの外国馬の情報収集や状態把握は相変わらず難しいが、今回は上位人気が予想される3頭の馬の考察をしてみたいと思う。

ケンタッキーダービー2019の有力馬3頭

オマハビーチ(牡3、R.マンデラ厩舎)

昨年9月に芝でデビューするも、3着、2着、2着と勝ちきれず、4戦目でダートへ転身。ここでも2着と勝ちきれなかったが、5戦目の未勝利戦を不良馬場の中、3コーナー手前で先頭に立つと、9馬身差で圧勝。この勝利を機に素質が開花したのか、勝ち上がってからは3連勝を挙げ、前走のアーカンソーダービー(G1)も不良馬場の中、2歳G1馬のインプロバブルを下して逃げ切り勝ちを果たした。2走前のレベルS(G2)でも今回出走予定のゲームウィナーにハナ差で勝利しており、実力は確かだ。アーカンソーダービーの勝ち馬には2015年の三冠馬アメリカンファラオや、2016年のベルモントSの勝ち馬クリエイター、2007年のプリークネスSの勝ち馬カーリンといった名馬がおり、名馬を輩出するレースなだけにオマハビーチにも注目が集まる。

ロードスター(牡3、B.バファート厩舎)

昨年7月にダートの1200mでデビューし快勝。2戦目のデルマーフューチュリティ(G1)ではゲームウィナー、ロウェイトンに次ぐ3着に敗れたが、今年初戦の条件戦を勝利すると、続くサンタアニタダービー(G1)ではゲームウィナーを半馬身差で下してG1初制覇を達成。同厩舎のゲームウィナーとは勝負付が済んだとは言い難く、キャリアもまだ4戦と浅いので伸びしろもまだ大きそうだ。昨年のデルマーフューチュリティ後に喉の手術を行った関係で休養していたが、この影響もなさそうに見える。デビューから同馬の手綱を握っていたM.スミス騎手は今回オマハビーチの騎乗を選んでおり、ロードスターへはF.ジェルー騎手が騎乗予定となっている。名手の選択も予想に取り入れたいところだ。

ゲームウィナー(牡3、B.バファート厩舎)

ロードスターと同じバファート厩舎のゲームウィナー。昨年8月にダート1200mでデビューし快勝すると、そこから怒涛の4連勝を達成。4戦目のブリーダーズカップジュベナイル(G1)では後続を2馬身以上突き放す圧勝でG1初制覇を達成し、米最優秀2歳馬に選出された。ただ、今年は始動戦のレベルSでは逃げ粘るオマハビーチにハナ差で不覚をとって2着に敗れ、前走のサンタアニタダービーでも同厩のロードスターに差し切られて半馬身差の2着に敗れた。ただ、今年3月に競走馬が相次いで死ぬ事故を受けてサンタアニタ競馬場で無期限で閉鎖されたことで、トレーニングができない状況や移動などの影響により、調整に遅れが出ていた可能性も高い。レースを使ったことで状態が上がってくれば、2歳時の圧倒的強さがまた見れるのではないだろうか。

他にも、デビューから4連勝の無敗馬で前走フロリダダービーを制したマキシマムセキュリティや、G1キャッシュコールフューチュリティを制したインプロバブルなど、アメリカダート界の実績馬たちが揃った。近年は日本でも関心が高まるケンタッキーダービー、三冠競走の第一関門を制すのは果たしたどの馬か?世界の注目が集まる。

ケンタッキーダービー2019の予想オッズ

予想オッズ(WilliamHILL)
人気馬名性齢予想オッズ
1オマハビーチ牡36.00
2ゲームウィナー牡37.00
3ロードスター牡37.50
4インプロバブル牡38.00
5タシトゥス牡310.00
6マキシマムセキュリティ牡311.00
7コードオブオナー牡315.00
7ヴェコマ牡315.00
9ウォーオブウィル牡321.00
9ウィンウィンウィン牡321.00
11バイマイスタンダーズ牡326.00
11カッティングヒューモア牡326.00
11スピンオフ牡326.00
11タックスセ326.00
15カントリーハウス牡334.00
15ハイカル牡334.00
15ロングレンジトディ牡334.00
15プリュクパルフェ牡334.00
19グレイマジシャン牡351.00
20マスターフェンサー牡367.00

※JRAのオッズとは異なりますので、参考としてご覧ください。日本国内で発売される馬券については、独立プール方式での発売のため、日本国内独自のオッズとなります。

ケンタッキーダービーは5月5日(祝・日)、チャーチルダウンズ競馬場で午前7時50分(日本時間)に発走予定。発売開始時刻は、5月4日(祝・土)の午前7時00分(日本時間)から、UMACA投票は午前9時20分または9時30分からの予定。