香港競馬がデモで中止、危ぶまれる香港国際競走
13日、香港のハッピーバレー競馬場で行われるナイター競馬が反政府デモの影響で中止となったことが明らかになった。同日、香港ジョッキークラブ(HKJC)が発表した。
ハッピーバレー競馬場は9月にも、ホンコンベットという競走馬のオーナーが政府支持派の行動を支持するコメントを出したことにより、SNS上で「競馬場を囲もう」などといった呼びかけが起こったことが原因で、同馬が出走するレースが組まれていたレース開催を中止している。
今回の中止については「現在の社会的状況および公共交通機関の状況から、従業員やレース参加者が安全かつスムーズに会場へ到着することは困難である」ため、「競馬コミュニティやファンの安全を最優先事項」とし、中止を決定した。
香港では警官隊と過激な若者らの衝突がエスカレートしており、地下鉄の運休や観光客の急減など経済や市民生活にもデモの影響が出ている。先月は建国70周年を祝う花火大会も公共の安全のため中止となり、ゴルフのPGA下部ツアーの大会も中止となるなど様々なイベントが中止となった。
来月8日には香港競馬のビッグイベント「香港国際競走」が開催されるが、開催競馬場となるシャティン競馬場は先日武装警察とデモ参加者が衝突した香港中文大学のすぐ近くに位置しており、安心安全を確保するための警戒態勢強化など、開催側の対策も注目されるところ。
HKJCは香港最大級の納税団体でもあり、地域経済に大きく貢献している団体の一つだ。そのHKJCが一番力を入れている「香港国際競走」が中止となれば、経済的にも大きな打撃となるだろう。何れにせよ、これ以上の犠牲者を出さないためにも一刻も早い収束をただただ祈るばかりだ。