大混戦ききょうステークス

今週土曜日に阪神競馬場で開催される2歳オープン「ききょうステークス」。最終登録馬9頭と小頭数競馬確定のレース。メンバーを見渡してみると新馬戦を勝ちあがったのは、オールポッシブルとジューヌエコールの2頭のみで、他の7頭は新馬戦を勝利で飾れなかった。別に新馬戦を勝たなくても何の問題もない。無敗神話でも作りたい程の名馬であれば話は別になってくるが、このレースからクラシック戦線に駒を進める馬は恐らくいないだろう。

ききょうSは阪神芝1400Mで争われる。この距離でこのメンバー構成なら、ポンとスタートを決めた馬がそのまま押し切るシーンも考えられる。人気もあってないようなもの。各馬、一長一短。良い所もあれば当然悪い所もある。特に2歳のこの時期は馬が完成されていないので、荒削りの馬が多い。

今年のききょうSのメンバーレベルはお世辞にも高いとは言えない。百歩譲って平均レベル。本音を言えば物足りない。これは仕方のない所。クラシックを目指す馬にしてみれば、今の時期に1400M・オープン特別を無理に使う必要はない。クラシック戦線と、短距離路線の2つに分かれる。ききょうS組は紛れもなく、後者である事は殊更説明しなくても分かると思う。

面白いもので、朝日杯FS組は、クラシックでもそこそこ活躍する馬がいるものの、大輪を咲かせる馬は少ない。一方阪神JF組は結構クラシックを勝っている。同じ阪神1600Mで行われる暮れのGⅠ。牝馬限定戦の阪神JFと、牝馬もせん馬も出られる基本は牡馬の朝日杯FS。昨年の1着リオンディーズ、2着エアスピネルが春のクラシックで期待も背負い善戦はしたが、結局馬券には絡めなかった。

阪神JF組はメジャーエンブレムが桜花賞でこそ不覚を取ったもの、NHKマイルカップでは貫録勝ち。オークスでも距離は持ったように見えるが、矛先を変えて適距離を使った陣営の判断は正しかった。

いわゆる競馬をやる誰もが知っているような表舞台には立たないだろうききょうS出走組は果たしてどのようなドラマを見せてくれるのか。