【天皇賞秋2016予想】紅一点のルージュバック、牝馬の活躍も多いここで強豪牡馬を蹴散らせ!

今年も天皇賞(秋)が、近づいてきている。日本でも有数のビッグレースである当レースは牡馬牝馬混合競争ながらに、牝馬の活躍が多いレースでもある。近年でもジェンティルドンナが2年連続2着、ブエナビスタの優勝に、ウオッカ・ダイワスカーレットの壮絶な競り合いなどは記憶に新しいところだろう。

過去10年の牝馬出走延べ頭数は176頭中13頭で競争成績は【2-3-1-7】となり、勝率15%・連対率38%・複勝率46%と、牡馬混じりのレースとしては非常に好成績である。また、馬券にならなかった7頭も競走中止を除けば4着3頭、5-7着が1頭ずつと、完走した牝馬全てが上位に来ている。

そこで今回唯一出走する牝馬ルージュバックに注目したい。父マンハッタンカフェで、母ジンジャーパンチは、アメリカでGⅠ6勝をあげている馬だけに、血統的には申し分のない牝馬だ。

マンハッタンカフェは長距離を得意としていたが、産駒は距離を選ばない活躍を見せており、ルージュバックも中距離を得意としている。前走毎日王冠では今回の天皇賞(秋)にも出走を予定している多くの牡馬たちを蹴散らし一着になった事もあり、急激に注目度が増している。レース後は天栄へ短期放牧に出し調整。

ルージュバックはデビュー前から良血と動きにより、デビュー後はきさらぎ賞で牡馬を一蹴したその走りにより、牝馬三冠、凱旋門賞などが期待されたほどの器だったが、残念ながらGⅠでは未だ無冠だ。桜花賞、優駿牝馬では一番人気だったが、勝ちきれなかった。その後もエリザベス女王杯、有馬記念、ヴィクトリアマイルに出走しているが、一度もGⅠでは勝てず、今回が6度目の挑戦になる。

その勝ちきれない性格から、毎日王冠に勝利していたとしても1番人気にはならないだろう。おそらく3番から5番人気になると予想される。ただエプソムカップ、毎日王冠と重賞2連勝中なのは確かで、芝1800では5戦4勝2着1回という圧倒的強さである。2000mは2歳時に1度百日草特別(500万下)で使われたのみだが、後の重賞馬ベルーフを下して優勝しているため、レースレベルの低さはさほど問題にならないかもしれない。東京競馬場での勝利というのもプラス要因だ。

懸念点は対戦相手の大幅レベルアップ

距離適性も二重丸だが、GⅠレースとなれば対戦する馬も強くなる。前走毎日王冠に出走した馬が多く出てくるとは言え、追加される出走馬は本命馬が多数。最近元気はないが昨年覇者のラブリーデイに、レーティング世界一にもなったエイシンヒカリ、最強マイラーのモーリスなど強豪が多数だ。

前述の通り、牝馬の活躍も多い天皇賞(秋)だが、列挙された名前は歴史的と言ってもよいほどの名牝揃い。反対に言えば、ここで活躍すればずっと語り継がれるクラスの名馬の仲間入りとなる。

登録数は15頭と、近年には珍しい少ない頭数での開催になるが、14頭が重賞勝ち馬、うちGⅠ馬が5頭と非常にハイレベルで楽しみな天皇賞(秋)となった。低迷期を乗り越えた絶好調のルージュバックが歴史に名を刻む名牝となるべく挑戦する。