騎手の収入源としてはレースでの獲得賞金の他に調教手当などもあり、JRAの騎手である限りはリーディング上位でなくとも生活をするのに困らない程度には安定した職業というイメージが庶民からするとあるように感じられます。
そんな中でも、かつては武豊騎手も、すでに日本で最年少リーディングジョッキーなど数々の記録を打ち立てる中で、海外への長期遠征をするなど、海外競馬を肌で感じるということに価値を置くのは騎手ならではの感覚なのかもしれません。
そして今年は日本の若手の中でも頭角を現しつつある団野騎手が、短期間とはなりますが大きな決断をしました。騎乗依頼も徐々に増えてきており、今年は馬質もあがってきているように感じられる中で、9月5日までの開催を日本で騎乗した後に渡英し、2ヶ月弱をイギリスで過ごす予定となりました。
現段階では現地でのレース騎乗の予定は決定しておらず、無償で現地のロジャー・ヴェリアン厩舎の調教などを手伝う予定となっています。
9月から2ヶ月というと日本では秋のG1シリーズが開幕する時期でもあり、日本にいればG1騎乗の可能性もある勢いが今年はあるだけに、非常に悩ましい大きな決断だったのではないでしょうか。
日本では馴染みの薄いロジャー・ヴェリアン調教師ですが、キズナなどでおなじみのノースヒルズの前田幸治代表が欧州で所有するビリーヴインラヴの管理をしており、これまでにも川田騎手、高田騎手、藤井騎手などを受け入れている親日派の調教師です。
JRAほど恵まれた環境ではないのは間違いなく、2ヶ月弱とそこまで長い滞在期間ではありませんが、刺激的で貴重な経験になることでしょう。帰国後のさらなる活躍にも期待しつつ応援したいですね。