ダートに見切りをつけて芝にいく。このような言い回しは聞いたことがありませんが、逆はよくあります。ダートから芝への転向は"挑戦"などと表現されることもあります。職業蔑視のようなもので、日本はどうしても芝>ダート>障害といったピラミッドで評価されがちではないでしょうか。
ダートの猛者は過去でいえばカネヒキリ、またドバイで輝いたユートピアなど、芝馬とは別の感動を与えてくれました。芝もそこそこ走るけど、ダートは怪物、という馬にどうやら競馬ファンは魅了されるのではないか、と個人的には思っています。今週はJRA今年最初のダート重賞となる東海Sが開催されます。
登録馬20頭ということで除外対象馬もおり、おそらくフルゲートでの競馬。古豪ともいえるインカンテーションや、昨年後半ようやく能力を発揮しだしたアスカノロマンなども参戦し、フェブラリーSの前哨戦として、今年は根岸Sよりメンバーが揃ったのではないかと思える顔ぶれが揃っています。
芝の古豪ラストインパクト参戦!
そんな中、芝からダート転向初戦のラストインパクト。本賞金が多いこともあり、除外対象でもなく出走が可能です。そして、補欠に2015年みやこS勝ち馬ロワジャルダンがいます。ダート重賞勝ち馬が除外対象で、ダート転向中の馬が除外を気にせず余裕で出走ができる。もちろんルールなので陣営も、もちろん馬も悪くありませんが、ロワジャルダン陣営としてはいまいちすっきりしないところでしょう。
ラストインパクト自身の能力はジャパンカップ2着などを見ても決して低くはありません。父ディープインパクトだけではダート色がさすがに出ませんが、母父にティンバーカントリーがいます。そこでダート適性を補完し、かつ父の優秀な遺伝子に期待、といったところでしょう。
とはいえ、ダートはダートで甘くない。今年は飛躍・逆転の1年にしたい明け4歳のグレンツェントや、OP連勝中の上がり馬ミツバなどもいますので、芝からの転向馬には負けないレースをぜひダートの猛者たちには見せてもらいたいものです。