2016年はまさかの重賞未勝利に終わった岩田康誠騎手。重賞未勝利だったのは2005年以来、実に11年ぶりとなる。今年にかける思いは人一倍大きなものがあるのではないだろうか。
誰もが「もうじき勝つだろう」。そう思っていたが、結局重賞未勝利のまま終わった2016年シーズン。2017年シーズンは1月14日に行われた愛知杯(G3)で、テン乗りのマキシマムドパリ(牝5、栗東・松元茂樹厩舎)で今シーズン初の重賞勝利を決めた。
マキシマムドパリは当日1番人気に推される人気馬。後方待機策から目の覚めるような豪快な末脚で他馬をまとめて差し切った。岩田騎手らしく、自分と馬の力を信じて、追い出しを最後の最後まで待って仕掛けての快勝だった。マキシマムドパリにとっては善戦ホースからの脱却であったと同時に、岩田騎手にとっては約1年ぶりとなる久々の重賞制覇となった。
逆襲の狼煙を上げ今年は好スタート、巻き返しを図る2017年に
1年間で重賞は10勝前後するジョッキーだけに、昨年の重賞未勝利は誰も予想が出来なかった出来事。本人もまさか重賞未勝利で終わるとは夢にも思わなかっただろう。そういった面では昨年は辛抱の1年になった。
年が変わり、先週の愛知杯では昨年の鬱憤を一気に晴らしてくれそうな予感を感じさせてくれた。岩田騎手レベルになるとさすがに年間で重賞未勝利だと「なんがあったのか?」と心配になってしまう。ただ、エージェントの力が全てを握っている現状、岩田騎手は昨年は騎乗馬に恵まれず、騎乗馬の質が前年の2015年より低かったのもこれまた事実。今年は1月から早々に1番人気馬を持ってこれたことだし、今年は巻き返しの年になりそうである。