競馬におけるアイルランドと言えば、昨年の凱旋門賞の上位をまさに「総なめ」にした国です。日本が超えなければいけない壁は世界各国の中でもアイルランドなのではないでしょうか?ここぞというときにしっかり結果を出す国でもあります。
そんなアイルランドで、日本生産馬が元気に種牡馬生活を送っているのをご存知でしょうか?日本馬が凱旋門賞を制する前に、日本産種牡馬の産駒が凱旋門賞を制する可能性も秘めています。
その名はシャドウゲイトです。主な勝ち鞍がシンガポール国際カップや中山金杯、中京記念。とにかく芝2000mで安定感のあった馬。父ホワイトマズルはもともと欧州産ということもありますが、現地での期待値が高かった理由の一つには「衝撃の復帰戦」があります。
2011年11月の中日新聞杯を最後に日本での現役は引退しましたが、その後に海をわたりアイルランドで現役復帰を果たしたシャドウゲイト。2012年10月に行われた一般戦では10ヶ月ぶりの出走にもかかわらず、10歳ながらにレコードタイムで圧勝してしまいました。
その後現地で種牡馬入りし初年度には8頭の花嫁を確保し受胎率100%。2014年にはなんとイギリス1000ギニーの勝ち馬まで配合相手としてオファーがあったとのこと。ただ、結果的に高齢の繁殖牝馬が集まったこともあり、残念ながら受胎はするものの出産に至らないというケースが続きました。
紆余曲折を経ながら、同じく日本産である同僚のキングストレイルとともに今はアイルランドで最古の牧場の1つといわれるチュラガンスクリーク・スタッドで繋養されています。初年度は受胎率100%だったこともあり、若い繁殖牝馬が集まれば産駒も無事生まれてくるはずです。凱旋門賞制覇は日本のホースマンの悲願ですが、ひょっとしたら違った形で先に実現してしまうかもしれません。競馬に国境はない、というのがよくわかりますね。