阪神ダート2000mの重賞シリウスステークス。特殊な条件でより適性探しも難しいのに加えハンデ戦、と予想がかなり困難なレースですが、そんな適性とハンデをよーく考えてみると好走の予感がするのがアメリカンウィナーです。
今回のシリウスステークスにおけるトップハンデは58.5kgのニホンピロアワーズ。次ぐ斤量の58kgがグランドシチー、トウケイヘイロー、ナムラビクターの3頭、そして最軽量と言えるのが54kgのキングヒーローとアメリカンウィナーの2頭です。GⅠ馬ニホンピロアワーズのトップハンデは仕方のないところかもしれませんが、58kgのグランドシチーとともに8歳馬という点でどうしても力の衰えを感じてしまい、この斤量は厳しいところでしょう。ナムラビクターは年齢こそ6歳馬でまだまだこれからと言えるでしょうが、休み明けで昨年のシリウスステークスと同じ斤量の58kgを背負うというのは、阪神2000m3戦2勝2着1回という大得意な条件だとは言えこちらも厳しいと言えます。芝の重賞戦線でも活躍しているトウケイヘイローに至っては、初ダートで58kgというのは如何にも厳しく、芝でさえ58kgで2戦して最高が7着なのですからとても推せません。
そうなると、斤量を背負う実績馬よりも魅力的なのが、芝からダートに主戦を替えて結果を出してきたダノンリバティやアウォーディーとなる訳です。まあ共に良血ということもあり人気も出てくるでしょう。しかも斤量が55kgと手ごろ。ただ、この2頭も人気ほど推しにくいのがダノンリバティは3歳馬で前走から2kg増の55kgを背負う点、アウォーディーは初のオープン馬が相手というところでしょう。意外と壁になりがちなのが、年齢とオープンの壁なのです。これまでにも多くの馬が壁に跳ね返されてきました。逆にここをクリアするならダート界の中心馬となる可能性も十分あるでしょうが、壁がある中おそらく人気になるだけに推しにくいです。
そんなメンバーが集まった今回のシリウスステークスだからこそ、好走の予感があるのがアメリカンウィナーです。この馬の前走はオープンのラジオニッポン賞で4着と平凡な結果でしたが、好走の予感を感じるのが54kgという斤量です。この馬過去23戦の中の最軽量斤量がまさにその54kgなのです。叩き3走目の走り頃なのに過去一番軽い斤量と同じですから、走るならここでしょう。そしてもう1つ推せるのが幸騎手が騎乗する点。これまでこの馬に幸騎手が乗ったのは2年前の平安Sの1戦のみなのですが、16頭立て12番人気で4着に好走しており、相性がいい可能性があります。さらに当時好調だったニホンピロアワーズが59kgでこの馬は56kgと斤量差3kgです。それが今回4.5kg差に広がっています。斤量差を考慮しても今回のアメリカンウィナーは、何か好走の条件がたっぷりそろっています。
人気馬の陰に隠れて、あまり人気もないであろうアメリカンウィナー。今回のシリウスステークスで好走する下地は実は十分あるのです。