過去5年のうち、このレースの勝ち馬2頭が地方交流競走のJpnⅠを制覇している、そんな隠れた出世レースが今週日曜・中京競馬場で行われる昇竜ステークスです。参考までに、クリソライトとコーリンベリーがその2頭です。ただ、クリソライトは2013年の勝ち馬ということで、当時は京都開催で、さらに距離も現在より長く1800mと、全く別のレースと言ってもいい環境でした。とはいえ、環境が変わったあともコーリンベリーを輩出したレースでもあり、今回も勝ち馬には注目したい、そんなレースではないでしょうか。
函館2歳Sの覇者レヴァンテライオンも参戦してくるため、面白いレースになりそうですが、近走の成績は大敗が続きパッとしない印象。そこでわたしが注目したのはシゲルベンガルトラです。前走ヒヤシンスSでは7着でしたが、ここは今年からアメリカ遠征の切符が付帯されたこともあり、例年以上に豪華メンバーがそろってしまったレースでした。それでも10番人気で7着、距離延長のマイル初挑戦ということを考えれば充分健闘したといえます。
今回は陣営も自信を持っているだろう1400mに戻ります。右回りも悪くはないですが、特に左回り巧者ともいえる内容の競馬を続けており、勝ち上がりこそ芝でしたが、本質はやはりダートの短距離とみていいでしょう。今回は3場開催で騎手が分散することもあり、テン乗りで鮫島駿騎手が手綱をとります。
強敵は逃げたら怖いアスタースウィング、同じく1400mダート巧者のセイカチトセあたりと見ています。前述のレヴァンテライオン、また芝からの参戦となるタイセイブレークに印も集まっていますが、ダート転向がそう簡単ではないのはフェブラリーS参戦で大敗を喫したデニムアンドルビーを見てもわかります。
シゲルベンガルトラにとっては昨年12月に寒椿賞で勝利した舞台ですので、ここを通過点といえるような気持ちのよい追い込みを見せて、今後へのステップにしてもらいたいです。