一言にクラブ馬と言っても様々な一口馬主クラブがあります。昔は社台レースホースが圧倒的に強かったですが、サンデーレーシングが誕生してからはサンデーレーシングの活躍も目立つようになりましたね。まあどちらも社台グループの直轄のクラブですからおおもとは一緒なんですけど。
まずこれらクラブに入会するには審査があります。審査と言っても、別にお金を借りるわけではないので信用情報などの照会をするわけではありません。あくまでも、会員になって生活に支障が出たり、支払いが遅れたりする可能性を審査するものです。とは言え入会している人はほとんどが一般のサラリーマンの方たちですから、そこまで重く捉えず、競走馬をもっと身近に感じたい!という気持ちで入会するのも良いでしょう。今回はいくつかのクラブを紹介させていただきたいと思います。
圧倒的に強大な組織”社台グループ”
今人気なのはキャロットクラブ。こちらも社台系の一口馬主で、サンデーレーシングと互角の戦いを演じられるクラブにまで成長しました。緑に白の二本輪、白の袖に赤の一本輪という勝負服はメインレースでも最近よく見られますね。
そして最近活躍が顕著なのがシルクレーシング。ひと昔前にはグランプリホースでダービー2着のシルクジャスティス等の活躍馬を所有しており有名でした。最近は社台系の傘下に入り、良質な仔馬を回してもらっているみたいです。募集価格が低いため、入会時の審査がないというのが大きな特徴ですね。薄利多売ではありませんが、新規会員の募集に力を入れているクラブです。
G1レーシングは逆に募集価格が高額なクラブとして有名です。ちょっと一般のサラリーマンには敷居の高いかもしれませんね。G1レーシングも社台グループ直轄の組織で、第3の社台・サンデーと目されておりましたが、今のところ結果はあまり出ておりません。
社台グループへの対抗勢力、非社台系の「日高」に期待!
まあ、このようにクラブもやはり社台系が圧倒的に強いのが現状です。この社台グループへの対抗勢力としてたびたび登場するのが「日高グループ」です。主に日高の牧場又はセリ中心で多様な募集馬を募集しています。過去にはゴールドシップ、キズナ、ウオッカ、ナリタブライアン、オグリキャップといった日高出身の名馬が存在し、社台を負かす競馬を見せて我々ファンを楽しませてくれました。
このグループだと、最近は(有)ターフ・スポートが活躍馬を出しています。ここもかつては社台グループとの結びつきが強かったですが、現在は中小の牧場生産馬が多い印象が強いです。今週末に開催されるフラワーCに出走するファンディーナなんかは相当の器の馬と期待されております。
このように、良い馬がいるところはいいですが、好調なクラブの陰に苦戦を強いられているクラブも多数あります。大樹ファームなんかは20年程前にはタイキフォーチュン・タイキブリザード・タイキシャトルといった名だたるG1馬を輩出しておりましたが、その後はサッパリといった状況です。
ラフィアンターフマンクラブは重賞でもそこそこ活躍馬を出しておりますが、G1馬は4年近く出ておらず最近名前が出てきませんね。ダート界で不動の地位を築いたエスポワールシチーを輩出した優駿ホースクラブも、最近は下級条件でも見る機会が少なくなりました。
非社台馬が勝つとなぜだか感動してしまうのは、我々日本人に雑草魂が強く根付いているからかもしれませんね。昨年は皐月賞優勝、ダービー3着のディーマジェスティがよく頑張ってくれました。競馬にロマンを求める筆者としてはやはりこういった非社台系の馬が活躍してくれると、何だか応援にも力が入ってしまうんですよね…。
結局、クラブも全部で20近くありますしそれぞれが独自のスタイルを持っておりますので、最終的には自分の判断で好きなところを選ぶしかないのですが、種類も豊富で多くの馬を所有する社台から選ぶのがやはり基本となってくるでしょう。逆に社台系以外の多様な種牡馬の産駒に出資したい方は非社台系のクラブが合っていると思います。
競馬をやっているファンにとっては一度は夢見るであろう馬主。今はクラブもたくさんありますし、愛馬が勝てば賞金の一部が配当として受け取れるので一口馬主は夢のある投資としても人気です。ただ、一口馬主はお金ではなく夢とロマンを求めて競馬ライフを楽しむ方も多くいらっしゃいます。あなたに合った一口馬主生活もきっとあるはずです。