いよいよ2021年の集大成、有馬記念が行われます。凱旋門賞帰りでグランプリ4連覇を狙うクロノジェネシスや、同じく凱旋門賞帰りで天皇賞春2着のスタミナ自慢ディープボンド、3歳馬の代表格で皐月賞と天皇賞秋を制しているエフフォーリア、同世代でエフフォーリアと接戦を繰り広げていたステラヴェローチェ、エリザベス女王杯で捲り一閃でG1制覇を果たしたアカイイトなど素晴らしい馬達が集まりました。
そんな中、今回特に注目しているのが3歳馬ステラヴェローチェです。G1勝ちはないものの、皐月賞・ダービーでともに3着、菊花賞4着と三冠全てで善戦。今年のクラシックを大いに盛り上げてくれました。
今回の有馬記念のメンバーを見てみますと、逃げ馬パンラッサをはじめ、菊花賞馬タイトルホルダー、キセキなど前目に行きたそうな馬が多く、アリストテレスやディープボンドなど強力な先行馬も揃っており、先行馬にとっては厳しい展開となる可能性もありそうです。前が残りやすい中山競馬場ですが、これだけ先行馬が多いとバテる馬も出てくるはず。
そうなれば、ステラヴェローチェの差し脚が生きてきます。最内をイン差ししてきた朝日杯FSと皐月賞、大外から差してきたダービーと菊花賞、枠や展開によって、自在に差し脚を発揮しています。結果としてG1制覇は果たしていませんが、神戸新聞杯ではダービー馬のシャフリヤールを降して快勝しており、G1級の能力の高さはあると言って良いでしょう。
今回、クラシックで乗っていた吉田隼人騎手からM.デムーロ騎手へ乗り替わり。ステラヴェローチェ自身は乗り替わりでも結果を残していますし、デムーロ騎手も先週はG3制覇、先々週はG1を制しており、勢いもあります。ステラヴェローチェの馬名はイタリア語の星(ステラ)と速い(ヴェローチェ)から来ているそうですが、イタリア出身のデムーロ騎手にとって母国語の名前がついている同馬は想い入れもより強くなるのではないでしょうか。
ということで今年の有馬記念は、自在差し脚が魅力のステラヴェローチェが、M.デムーロ騎手とのコンビで悲願のG1初勝利を果たしてくれることに期待したいと思います。