有馬記念も終わり、いよいよ年末ラストのG1、ホープフルステークスが行われます。先週の朝日杯フューチュリティを武豊騎手が制したことで、G1制覇コンプリートまで今回のホープフルステークスのみとなったことで、武豊騎手騎乗のキズナ産駒のアスクワイルドモアが俄然注目されてきましたが、大物の2戦2勝馬のコマンドライン、同じく2戦2勝のジャスティンパレス、萩ステークス2着のキラーアビリティといずれも有力馬の3頭が出走してきたディープインパクト産駒、同じくマテンロウレオ、ボーンディスウェイ、フィデルの3頭出走のハーツクライ産駒、と種牡馬対決模様となっています。

そんな中注目しているのは、1頭のみ出走のトーセンラー産駒のアケルナルスターです。アケルナルスターは、これまで2戦1勝の成績で前走未勝利戦を勝利したばかりの馬です。まだ走ったレースは少ない2歳馬同士の中にあっても、唯一の未勝利戦を勝ったばかりの勝馬で実績面は見劣るところですが、この馬が持つ『鬼脚』は注目に値します。

アケルナルスターは、2戦連続上り最速をマークしています。そのような馬はざらにいるG1メンバーですが、それでも2戦連続最後方位置取りから末脚を発揮しているのはさすがと言って良いでしょう。　他の馬は、好位置に付けてスローの上り勝負で上り最速をマークしている馬が多いので、単にレース運びの巧さでは劣るかもしれませんが、本当の意味でいわゆる長い末脚を出しているのは、アケルナルスターのみと言っても良いでしょう。古い競馬ファンならブロードアピールやデュランダルをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

ホープフルステークスが行われる中山競馬場は、G1が行われる競馬場の中では直線が短い方です。直線が長い東京競馬場で2戦とも走ってきたアケルナルスターがいくら『鬼脚』の持ち主でも発揮しにくい条件かもしれません。しかし、父のトーセンラーは春の天皇賞で2着、菊花賞で3着があるようにスタミナがある馬でした。直線の短い中山競馬場でもスタミナがある馬はロングスパートを決めれる競馬場でもあるのです。

先述のブロードアピールやデュランダルも直線の短い中山競馬場でもその末脚をきっちり決めています。アケルナルスターにもその素質は十分あると感じます。

ということで、2021年中央競馬のラストとなるG1ホープフルステークスは、『鬼脚』アケルナルスターの差し切り勝ちで締めくくると予想して勝負したいと思います。